公開日: 2017年8月7日

更新日: 2020年6月24日

屋根の種類と特徴、形状によるメリットとデメリットを徹底解説!

屋根の種類と特徴、形状によるメリットとデメリットを徹底解説!

屋根

皆さんは今住まわれている家がどんな種類の屋根を使用しているかご存知ですか?

また新築の購入、リフォームを検討している方、業者の方に提案されるままに屋根を選んでいませんか?

屋根には雨風をしのぐ防水性、外からの日差しを遮る断熱性、室内の熱を外に出す通気性などの重要な役割と機能があります。

屋根の種類により特徴が異なりますので、形状によるメリット・デメリットを知ることは快適な暮らしを行う上でとても重要なことになります。

このページでは屋根の種類と特徴を紹介しながら、その形状によるメリット・デメリットを機能面・安全面・デザイン面・コスト面を中心にご紹介します。

 

切妻屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

屋根の最長部の棟から地上に向かって2方向に勾配を付けて伸びていくタイプの屋根です。
山形のシンプルなデザインで、施工がしやすく雨漏りがしにくいのが特徴です。
屋根の勾配は家により違っており、緩やかな傾斜のタイプから急勾配のタイプのものまで幅広くあります。
住宅の屋根の中で一番多いのがこのタイプの屋根になります。

 

メリット

まずはコスト面において優れている点です。屋根の形状がシンプルなデザインであることから使用する材料の量や余りを抑えることができ、
シンプルな構造のため作業をはやく終えることができることから材料費に合わせて人件費も抑えることができます。

次に安全面です、雨を逃がす屋根形状をしているため、雨漏りの心配は少なく雪が多い地方においては、屋根の上に雪が積もりにくいため
雪の重量による倒壊の危険が小さいという利点も併せ持ちます。比較的丈夫なのも大きなメリットです。

機能面においても2面が屋根の頂上部に伸びることになるので、上の部分に開口を設けて家の空気を換気することができます。

暖かい空気は上へと上昇していく性質を持っているので重力換気が効果的に行うことができ、家全体に風が通り抜けるような換気のしやすい住まいとなります。

また、屋根面積が広く太陽光を電気に変える変換効率の最も高い傾斜角度に合わせて、屋根の勾配を自由に変化させることができるためソーラーパネルを設けられるのに最も適した屋根でもあります。

 

デメリット

最も使用されてる屋根のため、デザイン性に欠けるため個性的な家を建てたいという方には向いていないのかもしれません。

また日除けという面で、屋根の構造上ケバラ側より妻側の面が長いので妻側に太陽光、雨があたりやすいため妻側の劣化がしやすくなっています。

日除け対策としてはベランダを設けて室内に直射日光が当たらないようにしたり妻側が真南に面する配置にしないようにしていきましょう。

 

寄棟屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

四方向に傾斜面があり、長方形の平面で妻側の三角形の屋根と平側の台形の屋根があります。
構成としては、台形の面が二枚、三角形の面が三枚、合計四枚という構成になっています。
切妻屋根の次に多いタイプの屋根で、ハウスメーカーが建てる家でよくみられます。

メリット

まずは安全面でとても優れているという点です。四方向に分かれている構造上、雨が降っても四方に雨が流れて分散していくためゲリラ豪雨でも雨樋が水で溢れることはほとんどありません。

また四つの面が合わさっているため耐久性に優れ、嵐や台風にも強いとされています。

次に機能面です、東西南北の全方位に対して屋根の傾斜があるので周囲の家の日照権を確保しやすく、発電効率が高くなる南向きの面が必ず存在するためソーラーパネルの有効活用もできます。

デザイン面では、落ち着いた印象の屋根形状のため、現代和風住宅から洋風住宅まで幅広い外観に合わせることができます。

 

デメリット

下り棟といわれる大棟(最上部)から下っていく棟があり、
大棟と下り棟の取合い部分を「かき合い」といいます、この部分はY字型の合わせになります。この部分で雨漏りが発生することが多いのが最大の欠点です。

コスト面では、リフォーム時に部材合わせによる使用材料のロスが多く発生するため、その分費用が高くなる可能性があります。
棟板金を使用している場合は加工に手間が掛かることからメンテナンス費用も高めになります。

屋根一つ一つの面が小さいため、多くの太陽電池モジュールを設置することができないと言う欠点もあります。

 

方形屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

屋根の頂部の水平な棟がなく、一つの点から四方向に同じ角度で傾斜しているピラミッド型の屋根です。
屋根の頂上が線ではなく、点になっている形式が大きな特徴です。

メリット

形状が寄棟屋根と似ているため寄棟屋根と同じメリットがあります。
加えて住宅を建てる際に敷地が狭い場合など、隣地射線制限や北側斜線制限などの建築基準法に対応しやすいのもメリットです。

デメリット

メリット面同様、寄棟屋根と同じデメリットがあります。
加えて四つの下り棟が一点に集まってしまうため、その中心点である「X」の「かき合い」が弱いことがデメリットです。

 

片流れ屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

一方向だけに勾配を付けたシンプルな屋根です。
太陽光設置面積を多くすることができることやデザイン性が高いため、20代~30代の若い世代の夫婦を中心に需要が高くなっています。

メリット

まずは機能面で採光性に優れている点です。窓を高い位置に設置することが可能なため、部屋に日差しが入ってきやすくなり部屋の中が明るくなります。
また、屋根面積が広いため太陽光パネルを設置しやすいのも大きなメリットです。

合わせて屋根の勾配を南側にすると太陽光パネルを有効的に使用することができます。

コスト面においても屋根の構造がシンプルであるため材料費を抑えることができます。

雨樋の取り付けも一方向だけでよいのでその分の材料費がかかりませんが、雨水を受ける量が増すという点においては注意が必要です。

デメリット

まずは機能面で換気不足になりがちになるという点です。片流れ屋根は片側がないため片側の出口がありません、

出口がないため、入口からも外気が入りづらくなり換気不足になります。

安全面においては、見付け面積が大きくなるので耐風性は低くなり、また屋根が一面しかないため雨が集中してしまい、雨樋へ一気に雨水が流れ込み溢れてしまうので 定期的なチェックが必要です。

 

陸屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

一般的な斜めの屋根ではなく、勾配の無い平面状の屋根のことで平屋根(ひらやね)ともいいます。
木造タイプだと材料に水分が入り家が劣化しやすくなるため、鉄筋コンクリートで建てられるのが主流です。
ビルやマンションなどの高層建築物によく使用されており、豪雪地帯では落雪事故を防ぐため陸屋根を使用する住宅が増えています。

 

メリット

その多くは機能面にあります。屋上のスペースを活用できるため趣味のガーデニングやBBQを屋根部分で行うことができることから人気が高まり一般戸建て住宅でも使用する住宅が増えています。

その形ゆえに風による影響が少ないのも大きなメリットになります。
メンテナンスの面でも屋上を使用することを前提に建築している建物がほとんどのため、屋上までの階段があるパターンが多く、定期的な点検作業も容易に行うことができます。

また、天井面が平らであるということはその分だけ居住空間を広くとれるということ、そのため、同一用途地域内で同規模条件の建物を建築する場合は、天井高を高く確保できるなどのメリットもあります。

 

デメリット

構造上屋根に雪が雪が積もることで雨漏りのリスクが高くなったり、屋根自体が劣化しやすくなる点は注意しなければいけません。

また、水溝などに異物が詰まるとうまく排水することが出来ないため水がたまってしまう点にも注意が必要になります。
10年毎に一度は防水工事を行なうことをおすすめします。

太陽光パネルを陸屋根に設置する場合は、角度をつける必要があるため、追加費用がかかる点もコスト面から見たらデメリットになります。

 

入母屋屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

上部は前後二方向に勾配を持つ切妻造で下部は前後左右四方向へ勾配を持つ寄棟造になっている屋根です。

日本だけではなく中国、台湾、韓国、をはじめ、ベトナムやタイ、インド、インドネシアなど、東アジアの伝統的な屋根形式としてアジア各国で多く見られる屋根の形で、多くは神仏建築に用いられています。

国内の田舎でもよく使われており、特に瓦の家ではよく使われています。

 

メリット

機能面で、屋根裏の通気性や断熱性が高く耐風性にも優れていることが大きなメリットです。

デザイン面においても、瓦づくりの屋根に使用するとマッチし重厚感のある外観になります。

コスト面でも屋根で隠れる部分が多くなるため、外壁の面積を小さくすることができ、リフォームなどの際には大きなメリットになります。

 

デメリット

二段の構造から成り立っているため造りが複雑で取り合い部分が多いため、材料の量にロスが発生することから修理やメンテナンスの費用は高くなります。

また単純な構造でないため、熟練した作業が求められ人件費も高くなります。
構造上雨漏りもしやすくなっている点もデメリットになります。

 

招き屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

片側の屋根を長くし、もう片方の屋根を短くした段違いの屋根のことで元々は切妻屋根の形状をしていたため機能面、安全面はほぼ切妻屋根と同じになります。

構造上屋根が二つに分かれているため風の影響を受けにくいのが大きな特徴です。

 

メリット

屋根が二つに分かれている構造上、風の影響を受けにくく耐風性に優れています。

また勾配もあるため雨・雪が溜めるリスクが低減されダメージを受けにくい点でも優れています。

勾配がほぼ30度と太陽光パネルの設置に最も適した角度であることも大きなメリットとなっています。

 

デメリット

屋根の取り合い部分は雨漏りが発生する可能性があるので、場合によっては防水工事が必要になります。また構造が複雑な家の場合は雨漏りが発生する可能性が高まりますので定期的なメンテナンスをおすすめします。

角部分がが多いタイプの家ですと屋根の境界線に雨が溜まりやすくなってしまい、雨水が染み込み、瓦や下地にダメージを与えてしまうリスクが他の形の屋根に比べ高くなるためより注意が必要になります。

 

はかま腰屋根の特徴とメリット・デメリット

特徴

切妻屋根の棟を一部切り取った形状で屋根上部から途中まで寄棟屋根のように屋根を架けたものです。

はかま腰屋根という名称は、袴をはいたときの姿と似ていることからそう呼ばれるようになったそうです。

道路斜線制限に引っかかった場合にはかま腰屋根にして制限内に収まるようするためによく使用されます。

 

メリット

まずはデザイン面で人気がある点です。また法的な面で、建築基準法で高さ斜線制限がある場合に、
はかま腰屋根にする(先端屋根の高さを低く抑える)ことで法的な規制を回避することができる点が最大のメリットになります。

 

デメリット

屋根の最上部に水平に設けた棟が複雑な構造になり取り合い部が増えるため、雨漏りのリスクが高くなる点がデメリットです。

 

まとめ

八種類の屋根の種類と特徴、形状によるメリット・デメリットを紹介しました。

快適で安全な家で暮らす、または理想の家を建てるには屋根の機能性・安全性・外観のデザイン、または暮らしに影響するコスト面など
様々な点を考慮して屋根を選ぶことがとても重要です。

 

今回紹介した屋根の知識を基に屋根選びを行い快適な生活に繋げてください。

 


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