トイレつまり!トイレが詰まったときの直し方
流したトイレットペーパーが逆流してくる、水位がいつもより高かったり低かったりするなどの異常はトイレつまりが原因かもしれません。
慌てて何度も水を流したり、押し込もうと新たにトイレットペーパーを流してみたりして、便器から水を溢れさせたというような経験がある方も多いのではないでしょうか。しかし、実はこの行動こそ、トイレつまりを悪化させる行為だったのです。
トイレつまりの解決のためには原因に合わせて対処することが重要です。
それではどういった対処法をとるのがベストなのでしょうか?本ページでは、トイレつまりの原因や症状、トイレつまりを引き起こす行動など、トイレつまりに関する様々な情報をまとめています。トイレつまりを起こさないように気を付けることはもちろん、トイレつまりの解消の際に手助けとして活用してください。
※当記事は2019年4月24日に公開した記事ですが、より分かりやすい記事にするため、2019年9月27日に記事全体に情報の追加や構成の修正を行いました。
トイレットペーパーが水に溶けるまで2~3時間待つ
1 トイレットペーパーを大量に流して、トイレを詰まらせてしまった場合、道具を使わず解決する方法があります。
「トイレットペーパーが水に溶けるまで2~3時間待つ」ことで、軽度の詰まりは解決できます。
ですが、ニオイのことや長時間使えないことで困ってしまいますよね。その場合は、次の解決術を試してみてください。
お湯を注いで早く溶かす
2 お湯を注ぐことで、水かさが増してしまいます。なので、まずは、便器に溜まっている水をからのペットボトルを使って減らしておきます。
お湯は、水面がやや泡立って湯気がではじめたくらいの40度~60度のお湯を使います。あまり熱いと便器にヒビが入ってしまう恐れがあります。やけどに注意して、お湯を高い位置から便器の奥に勢いよく注ぎ、フタをして30分放置してから、数回に分けて水を流してみましょう。
液体洗剤で早く溶かす
3 使うのは、洗濯用か食器用の液体洗剤。出来る限り便器内の水を減らしておき、分量は100ccを目安に少しずつ液体洗剤をそそぎます。
そのあと、40度~60度のお湯を泡立てないように低い位置から注ぎます。水位が便器内の半分くらいまでお湯を足し、20分放置し水位が下っていたら水を流しましょう。
トイレに詰まった「水に溶けない物」の種類
4 トイレ詰まりの多くは、紙詰まりのような水に溶ける物の詰まり。水に溶けない物で詰まらせた場合は、お湯や洗剤は効果がありません。
例えば、介護・生理用品や子供のおもちゃ、掃除道具などです。
水を流さず素早く取り出す
5 水に溶けない物でトイレを詰まらせてしまって、まだ便器の排水口にあるのが見える場合は、素早く取り出しましょう。
ですが、排水口が小さく手が入らない時や、引っ張っても取れない時は、無理やり取ろうとせずに業者を呼びましょう。
塩を入れてトイレ砂をサラサラにさせる
6 トイレに流せると書いてあるペットのトイレ砂であっても、大きい固まりの場合は崩してから流すことが必要であったりと、意外と注意しなければならない点が多いです。
こういった場合は、塩を1杯(45g)入れて30分放置してみましょう。もし放置してもほぐれていない時は、追加で塩を1杯入れてまた放置してみてください。トイレ砂がほぐれたら、水を流しましょう。
ラバーカップでトイレ砂を引き出す
7 ラバーカップをする前に、水が飛び散らない対策をしっかりしておきましょう。
ラバーカップを排水口をふさぐようにかぶせ、静かに押し付けます。そして力を入れて引き抜きます。これを3~4回おこないます。
それでも詰まりが解消しない場合は、業者を呼ぶ必要があります。
目次
トイレつまりは放置していれば勝手に直るってホント?
トイレつまりに遭遇した人の中には
「流したあとの水位が高いままだけど、放置していたら落ち着いてきた!もしかしてトイレつまりって放置しておけば直るんじゃない?」
と考える方もいるようです。
実はこの考えは間違いではなく、トイレつまりは放置でも直ります。しかし、すべてのトイレつまりがそうかといえば、NOという返答になります。それはトイレつまりの原因によっては、なんらかの対処が必須だからです。
そのためトイレつまりには「自然に任せて直るケース」と、「なんらかの対処が必要となるケース」があるというのが正しい答えといえるでしょう。
どんなトイレつまりなら放置で直るの?
放置で直るトイレつまりは、大便やトイレペーパーが詰まっている場合です。いわゆる異物を流していない場合のトイレつまりだけが、放置でも直る可能性があります。こちらの場合、簡単な処置でも直せるケースが多いですから、「身近なもので簡単解決!初心者でもできるトイレつまりの解消」を参照の上、自分で直すのもいいでしょう。
※異物を流したり、日頃から流れが悪かったりしてトイレつまりが発生した場合は、無理に自分で修理しようとしないでください。悪化する恐れがあります。
それでは、トイレつまりが放置で直る理由を解説しましょう。トイレットペーパーには、水に触れると分解する性質を持った水解紙という素材が使われています。そのため、水に浸かり続けることでふやけて小さくなり、水の重みに押されて勝手に流されるということが起こるのです。自然とつまりが解消されていたということに遭遇した場合、このパターンだと考えられます。
また、大便が原因となるトイレつまりも同様です。便は水圧で崩されたり、水分を含むことで柔らかくなったりしますから、水に浸かり続ける内に解れて小さくなり、トイレつまりが解消されます。
具体的にどのくらいの時間をかけて放置すれば改善するのか?ということについては、残念ながらケースバイケースです。2~3時間ほど放置しているだけでも直ったというケースが多いようですが、症状の重さによっては処置をしなければ直らないことも考えられます。
原因に合わせて見極めることが大事
自然にトイレつまりの解消を待つ場合、気を付けてほしいのが、粗悪品のトイレットペーパーやトイレに流せる系の製品を流して詰まったケースです。これらは溶けるまでにトイレットペーパー以上の長時間を要したり、そもそも溶けなかったりということも少なくありません。
自分で直す場合でも専門業者に依頼する場合でも、費用や手間はかかってきますから、
「何もしなくても直る可能性があるならそのままにしておこうかな…」
と期待してしまうのは仕方のないことですが、結局解消されずに水が溢れるなどのリスクもあります。
原因や症状から放置しても大丈夫かよく見極めるようにしましょう。
トイレつまりの症状とは?
一口にトイレつまりといってもその症状は様々で、症状によってはトイレつまりが原因なのかどうかも分からないということも少なくありません。
トイレットペーパーを流しすぎていたり、異物を落としたりなどの明らかな原因があればすぐ気づけるでしょうが、「普通に使っていてある日いきなり…」というパターンではわからないということもあるでしょう。トイレつまりはある日突然起きるということもあるのです。そのため、すぐにトイレつまりが原因だと気づけるように症状を知っておくことが大切ではないでしょうか。
トイレつまりの症状を紹介していきますので、それを参考に、トイレつまりが発生したときの対応や、トイレつまりを事前に食い止める方法を考えていきましょう。
トイレつまりの症状その1 水位が高くなったり、溢れたりする
「流してみたらみるみると水が増えて今にも溢れそう!」
そんなときはトイレつまりが発生しています。これはトイレつまりの典型的な症状であり、遭遇している方も多いのではないでしょうか。
今後このような症状に遭遇したときは、慌てず落ち着いて水位の変化を見守るようにしてみましょう。というのも、完全につまっている場合もあれば、何かで水の通り道が狭まっている程度で済んでいる場合があるなどと、トイレつまりの症状にはレベルがあるためです。
たとえば徐々に水位が下がってくる場合ですと、異物で水の通り道が狭まっていたり、つまっているけれどもわずかに隙間が残っていたりということが考えられます。わずかでも水の流れる隙間があるため、水位が下がってくるのです。
逆に水位が全く変化しないというときは、完全につまっているということになるでしょう
トイレつまりの症状その2 封水切れが起きる
便器の水位が高くなったり、溢れたりというケースはトイレつまりの典型的な症状ですが、次に紹介するトイレつまりの症状は、逆に水位が下がるというケースです。
それは封水切れ(ふうすいぎれ)と呼ばれる状態で、トイレにつまった異物やトイレットペーパーによって便器内の水が吸い出され、排水管へと移動していくことによって発生します。本来便器にあるべき水が減り、封水切れを引き起こしているというわけです。
ちなみに、これを毛細管現象といい、液体の粘度が低いほど発生しやすくなります。水は粘度の低く、吸い出されやすい液体ですから、毛細管現象も起きやすいのです。
これがトイレつまりによって便器の水位が低くなる仕組みです。「水位が低い」あるいは「便器の水がなくなった!」という時には、トイレつまりの可能性を考えてみましょう。
ちなみに、封水には排水から逆流してくる悪臭を防いだり、便器への汚れの付着を予防したりするほか、害虫が上がってくるなどのトラブルを防ぐ役割があります。そのため、このような症状があると封水が役割を果たせなくなるため、排水管の臭いが逆流してくることもあります。水位が低く、悪臭がするときもトイレつまりを疑うことが必要でしょう。
水位が上がっているときには「溢れる!」と感じてすぐに対処しようとなるものですが、水位が低いだけだとあまり危機感を覚えないという方もいるかもしれません。しかし、封水切れが起きると悪臭がなくならず、トイレが不快な空間になってしまいます。
水位が上がっているときほどの緊急性はないものの、トイレつまりが原因の場合は、いずれ便器から溢れることも考えられます。それを防ぐためには、トイレの異常にいち早く気づくことが必要でしょう。水位の高低がいつもと違うのであれば、便器内で何か起きていないかチェックしてみてください。
ちなみに、一時的な封水切れであれば、使用後に少し経ってから便器に水を足すなどの方法で解決できることもあります。しかし、トイレつまりをはじめとして、なにかが原因となって長期的に封水切れが発生しているという場合は、根本的な解決が必要です。
「ずっと水位が低い」ならば、必ず原因があります。注意深くチェックしておきましょう。
トイレつまりの前兆も知りたい!
トイレつまりの症状を知っておくことは、トイレつまりの原因を把握するために重要なことです。そして、トイレつまりの前兆に気づくことができることも、トイレつまりの重症化を防ぐうえで重要なことといえます。この項目ではトイレつまりの前兆を詳しく紹介していきます。いち早く前兆に気づき、トイレつまりが軽度なタイミングで適切な対処がとれるように、その方法を考えていきましょう。
トイレつまりの前兆その1:ゴボゴボといった正常でない音がする
流したときのようなジャーといった勢いのある音でもなく、ゴボゴボとくぐもったようないつもと違う音がしているときはトイレつまりが発生しそうなサインです。
そのときは溢れていなくても音がするだけだからと放置していると、本格的につまってしまい、自分で対処しきれない状態まで悪化するかもしれません。
なぜ異音が聞こえるのか説明しますと、トイレットペーパーや排泄物、異物などの流したものによって水の通り道が狭まっているためです。
そして、トイレがこの状態になっていると本来流れるはずの水が、狭まっている部分で一度止められます。そこへ空気がたまっていき、改めて水と一緒に流れたときにゴボゴボと異音がするのです。
この場合、完全につまっているわけではないので、便器の水を溢れさせるほどには至っていません。しかし、これはある意味、トイレつまりの軽度な状態ともいえ、いずれ溢れる恐れがあります。
要はそのまま使い続けられるわけでもないということです。この段階で気づくことができたなら、ある意味幸運といえます。早々に解消するのがベストでしょう。
また、そのまま使い続ければどうなるかということもお伝えしておきます。
トイレを使うということは、トイレットペーパーや排泄物が流されるということです。正常なトイレであれば、それらもなんの問題もなく流れていきますが、「何か」が通り道を狭めていると、そこへ新たに流したものが絡まっていきます。
狭めているものはその場でどんどん大きくなり、通り道を狭めるどころかふさいでしまうということすらありえるでしょう。
ちなみに、このような状態の場合は、使い続けるうちに運よくすべてが流れるというケースもありますが、過信するのは禁物です。当然流れないということもありえますし、つまっているものが溶けるものでなければ、結局流れた先でつまってしまうためです。
これが原因で異音が発生しているときは、解決を心がけ、基本的に放置はしないようにしましょう。
トイレだけでなくキッチンや洗面所などで聞こえることも
「トイレつまりが発生していると異音が聞こえるようになる」と説明しましたが、つまっている場所によっては、キッチンや洗面所などトイレ以外の場所で異音が聞こえてくることもあります。
そういったときは、トイレで流したものが便器の排水口からさらに奥に行き、排水管や排水枡がつまっているというパターンです。
特にマンションのような形態の住宅の場合、配管をひとまとめにしていることが多いため、原因となった場所はトイレでも、全体に影響でてしまい、家のいろんな場所で異音がするようになります。
トイレを使ったあとなどに「家のあちこちで異音がする…」というときには、こういったトラブルが発生しているということも考慮しましょう。
トイレつまりの前兆その2:水を流すと水位が上がり、時間が経つと下がってくる
「トイレつまりの症状とは?」でもお伝えしましたが、トイレのつまりには水位が高くなっても、しばらく時間が経つと元の水位に戻るというケースがあります。そして、トイレが完全につまっていると、便器に流された水は行き場を失って、最終的には溢れるしかなくなります。
そのため、上記の「水位が上がってもしばらくすると戻る」というケースは、トイレが完全につまっているわけではなく軽度な状態であり、ある意味トイレつまりの前兆とも呼べるでしょう。
軽度なつまりというのは、水が流れるための隙間が少しだけ残っている状態です。そのため、一瞬水位が上がったとしても時間をかければ少しずつ流れることができ、下がる可能性も出てきます。
もし、この段階でトイレの異常に気付くことができれば、それほど手間をかけずに、異物を取り除ける可能性があるでしょう。
原因にもよりますが、放置で直る場合もありますし、「ラバーカップを使って引っ張り出す」、「お湯を使って溶けるのを早める」などの方法を使えば、更に早く解決できます。
しかし、生理用品などの吸水性のある紙製品や、アクセサリーやおもちゃといった小物など、本来トイレに流すべきものではない異物がトイレつまりの原因ならば、まだ軽度だからと放置はせず対処が必要です。そしてその際は、誤った対処法をとらないように注意して、原因に合わせて解決方法を考えるようにしましょう。

さて、トイレつまりにある程度詳しくなれたところで、解決方法を紹介…といきたいところですが、まずは注意点を3つほどお伝えします。
一つ目の注意点はつまりを解消するために何度も水を流さないことです。稀につまりの原因が流されて解決するというケースもありますが、流されなかった場合はより水位が上がり、便器から水などが溢れるということになりかねません。
二つ目は、作業前に止水栓の閉めることや、ウォシュレットなどの電源オフ、ゴム手袋を身に着けるなどの事前準備を徹底することです。
それにより、トイレつまりの除去作業から遭う恐れのある二次的被害を防ぐことができます。特にウォシュレットの電源は、感電などの危険があるため絶対に忘れないでください。
最後に、「とりあえず」の対応策をとらないことです。とりあえずラバーカップを使ってみたり、とりあえずバケツで水を流し込んでみたりと、とりあえずの行動はトイレつまりの状態をより悪化させる恐れがあります。
トイレつまりが起きていて、そのレベルが判断できているといっても、つまっているものは様々です。何によってトイレがつまってしまったのかを考えて対処法を選ぶのがベストなのです。
ピンとこないという方は、たとえばトイレットペーパーがつまっているケースから考えてみましょう。この場合は本来ならば水でほぐれて流れるべきもののため、ラバーカップやバケツを使っても状態を悪化させるリスクはほとんどありません。
しかし、おもちゃなどの溶けない異物が原因ですとどうでしょうか?上記の方法ではうっかり押し流してしまうなどが考えられ、トイレつまりの状態を悪化させることになりかねません。また、そうなってしまえば、便器の取り外しも必要となり、自分で解決できる方は少ないでしょう。
トイレつまりの解決には、レベルや原因の把握が必要不可欠です。慌てず、落ち着いて、状況に合わせた対処法を選んでいきましょう。
どの程度のトイレつまりなら業者に頼まずに直せるの?
個人でトイレつまりを直す方法をお伝えする前に、まずはどこまで自力で直せるのかということを知っておきましょう。それを知っているだけでも、慌てて間違った対処をしてしまい、取返しのつかない状態まで悪化させるという最悪な事態は回避できます。
個人で直せるレベル
どんなトイレつまりならば、業者に頼まず個人で解決できるのかを一言で表すと「軽度なもの」ということになります。具体的には汚物やトイレットペーパーというような、本来流れるべきものが流れなかったケースです。
判断基準としては、「少しずつながらも水位が下がっていたり」、「いつもはすっきり流れているのに急に流れなくなったり」ということが挙げられます。この場合、直前に流したトイレットペーパーがつまったというケースが多いでしょう。
また、おもちゃや溶けない紙製品などの異物を流してしまった場合でも、個人で対応できるケースもあります。しかし、流してから時間が経っている、奥の方まで流れたなどの場合は、個人でできる方法では引っ張り出せないこともあるため、状況に合わせて対処法を選ぶようにしましょう。
業者に頼むべきレベル
逆に業者に頼まなければならないのは、つまってからいつまでも水位が変わらなかったり、日ごろから流れが悪い日が続いていたりというレベルです。こういった場合のトイレつまりは、便器の更に奥である汚水管や、外にある排水枡が詰まっていたり、簡単に原因が特定できず調査が必要だったりというパターンが多くなります。
また、こういったケースの場合、調査の結果何もつまってはいないものの、タンクが水漏れしていて流れる力が弱いなどの、「便器自体」に問題があることが分かることもあります。その場合は、そのまま業者に便器の修理を依頼するというのがベストでしょう。
身近なもので簡単解決!初心者でもできるトイレつまりの解消
個人で解決できるとわかったら、次はいよいよトイレつまりを取り除く作業に入ります。
ただ、トイレつまりを直す前に、まずはつまっている場所を特定しましょう。便器ではなく、排水管や排水枡が原因でトイレつまりが起きている場合は、これから紹介する方法での解決が難しいためです。

排水枡①

排水枡②
特に前述しているような、家のあちこちで異音がする場合は、排水枡などの便器以外の場所で詰まっているケースが多くなります。もし、同じ状況なのであれば、試しに排水枡を確認してみましょう。水や汚物、異物でいっぱいになっている場合は排水枡の異常がトイレつまりを引き起こしていると考えられます。その場合は、これから紹介する方法を試すのではなく、専門業者に排水枡の洗浄などを依頼しましょう。
それでは、トイレつまりを解消する方法を紹介していきます。
・お湯を使う
・ラバーカップを使用する
・真空式パイプクリーナーを使う
上記はどれも手軽に準備でき、簡単に実行できる初心者向けの方法ではありますが、慣れていなければ、これらの方法でも失敗することは十分にありえます。自信がなければとにかく専門業者に依頼しましょう。そうすることで、事態の悪化を防げるだけでなく、労力や費用を結果的に減らすことができます。
トイレつまりの解決方法 初心者編その1:お湯を使う
一つ目は最も手軽にできるお湯を用いたトイレつまりの解消方法です。
排泄物やトイレットペーパーが溶け残り、新たに流されたものと合わさってトイレつまりを引き起こすというのが、トイレつまりの発生原因として多いものです。このバケツでお湯を流す方法は、そのトイレットペーパーや排泄物によるつまりに有効といえます。原理としては非常に単純で、お湯でつまっているものを柔らかくほぐれやすい状態にしたあと、お湯の力で押し流すというものになります。
そのため、後述するラバーカップのように引っ張り出す力はありません。おもちゃや洗剤のキャップなどの流してはいけない異物がつまっている場合は、この方法は使わないようにしてください。
それでは詳しい手順を紹介していきます。
1. 便器に溜まった水を取り除く
2. バケツで水を流し込む
3. お湯をバケツで流していく
4. 2、3回ほど繰り返し、バケツで水を流してつまりが解消できたかの確認をする
以上が、お湯でできるトイレつまりの解消方法です。ポイントを説明していきますので、実行の前に確認しておきましょう。
1.便器に溜まった水を取り除く
通常のトイレは新たに水を流すことで、便器にある水が押し流されていきます。しかし、トイレつまりが起きている場合は、水が流れることができないために新たに水を流し入れては溢れてしまう危険性があります。
予め灯油ポンプやバケツを使って、できる限り便器内の水を取り除くようにしましょう。
また、便器内に水があることで、バケツで流し込んだお湯が冷えてしまい、お湯の高温でふやかす効果も薄れてしまいます。そういった点からも便器内の水は取り除いて置くほうがいいのです。
2. バケツで水を流し込む
水ではなくあえてお湯を注ぐのは、高温でつまりをふやかして流れやすくするためです。しかし、もしつまりが軽度であれば、勢いをつけて水を流すだけでも直ることがあります。こちらも試してみるといいでしょう。
ポイントは高い位置から排水口に向かってピンポイントに流すことです。レバーから流れる水よりも勢いがでるため、水圧で押し流されてつまりがとれる可能性があります。
しかし、大量に流し入れると逆に水が溜まってしまい溢れる危険性があるでしょう。そこは注意しておきたいポイントです。
3. お湯をバケツで流していく
水でつまりがとれなかったらいよいよお湯の出番です。40~60度くらいのお湯を、水を流し込んだ時と同じように高い位置から流し入れてみましょう。
高温のお湯によってつまっているものがふやけやすくなるだけでなく、流す勢いも加わっているため、より効率的につまりがとれるようになります。また、便器から溢れないように気を付ける点は、水を流し込んだときと変わりません。
お湯を注ぐことでつまっているものがふやけやすくなりますが、お湯を注いですぐ崩れるというわけではありません。そのため、お湯を注いだあとに一時間ほど放置しておくとつまりがとれやすくなるでしょう。
4.つまりがとれたらバケツで水を流してつまりが解消できたかの確認をする
ふやかして流すという工程を繰り返して、つまりが解消されたなと思ったら、いよいよ最終確認です。バケツやペットボトルなどを用いてトイレへゆっくりと水を流しいれてみましょう。
レバーで水を流すのは、チェックが済んでいない段階ではやめておくのが無難といえます。レバーを使うと大量に水が流れるため、まだつまりが取り切れてなかった場合溢れる危険性があるためです。
継ぎ足した分の水が減っていくようであれば、きちんと流れるようになっており、つまりが解消されている証です。しかし、水の量が変わらない場合は、まだつまっていることが考えられます。再びバケツで流してみるか、後述するほかの方法を試してみましょう。
また、道具をそろえるのが大変であったり、これ以上触るのは危険だと判断したりした場合は、業者に頼むのも一つの手といえます。あれこれ試して最終的に業者に依頼するよりも、早い段階で依頼する方が費用も労力も抑えられる可能性があるのです。
こちらの方法では、40~60度のお湯を流し入れるという紹介をしましたが、それ以上の高温の熱湯は使ってはいけません。沸騰しているお湯などはもってのほかです。
便器は陶製の器具ですが、それには衝撃や熱湯などの高温に弱いという短所があります。そのため熱湯を注ぐと、その部分が急激に膨張しひび割れる恐れがあるのです。トイレは熱湯を注がれることを想定されて作られていません。メーカーでも案内されていますので、くれぐれもやらないようにしましょう。
A.トイレや洗面化粧台などの衛生陶器に熱湯を注ぐとその部分が急激に膨張を起こし、ひび割れが発生することがあります。
そのまま使用されますと、陶器が破損してケガをしたり、水漏れのため家財を汚す原因になることがあります。
熱湯を注がないよう、お願い申し上げます。』
引用:LIXIL公式HPより https://faq.lixil.co.jp/faq/show/5929?site_domain=default
ちなみに、便器に使われている陶器には、こういった短所だけでなく、汚れに強く洗浄が容易であるほか、表面硬度が高く傷がつきにくいという長所もあります。トイレに使うにはぴったりの素材というわけです。
また、便器に使われている陶製の器具の総称を衛生陶器と呼び、便器のほか、洗面台や浴槽といった水回りに使われています。それらも熱湯を注ぎ入れるとひび割れが起きる危険性があるため、同じくつまりが発生したときには、解決のために熱湯を注ぎ入れることはやめましょう。
重曹とクエン酸で効果アップも期待できる
上記の方法でお湯を流し入れるときに、重曹とクエン酸を合わせて使うことで、多少効果を上げることができます。これらがトイレつまりに働く理由は、重曹はアルカリ性で、酸性であるクエン酸と混ざることで、炭酸ガスを発生させて発泡するという特徴が影響しています。その炭酸ガスと泡が、つまって崩れにくくなっているものを、分解しやすくするという仕組みです。
また、それよりも強力なのが「ピーピースルー」などを代表とした洗浄剤になります。ただ、洗浄剤の多くが医薬用外劇物として指定されており、入手するにあたっての制限が多いです。もちろん、市販されている洗浄剤もあるため、そちらを購入するという手段もありますが、量が多く割高な傾向があるため、安全性や手軽さというところからは外れてしまうでしょう。
重曹とクエン酸は、排水管の日々のお手入れで使われることもあります。こまめに排水管の汚れをとることで、トイレつまりの予防に繋がりますので、習慣として取り入れるのもいいでしょう。
トイレつまりの解決方法 初心者編その2:ラバーカップを使用する
ラバーカップを用いたつまりの取り方は以下の通りです。
1. ラバーカップを排水口に置き、ゴム部分が浸りきるくらいに水を足す
2. 排水口にゴム部分に密着させた状態でゆっくりと押し込む
3. カップが凹んだのが確認したら力を入れて引き抜く
4. つまりの原因を取り除く
5. バケツで水をゆっくりと流しいれる
もし、一回で解消できなかった場合は、もう一度1~5の手順を繰り返すことで直るケースもありますので、あきらめずにトライしてみましょう。
それでは、それぞれの手順を詳しく解説していきます。
1.ラバーカップを排水口に密着させ、ゴム部分が浸りきるくらいに水を足す
ラバーカップのゴム部分が水の外に出ていると、ラバーカップの効果が薄れてしまいます。それはラバーカップが、真空圧力による吸引力を利用して、つまりの原因を引っ張りだす道具だからです。
カップ内部の空気が抜けきり、カップへ水が充満した段階で引き上げると、カップに吸い上げられた水が持ち上げられて、水の逆流が促されます。その結果つまりの原因も引き寄せられて水の通り道ができ、つまりが解消されていくのです。
そのため、ラバーカップを使う際は排水口にカップ部分が密着していなければ、引きあげたときに大して水が逆流せず、つまりの原因が引き寄せられていきません。ラバーカップを効果的に使うためには、カップ部分を排水口に密着させて真空状態を作り出すことを意識しましょう。
また、ラバーカップを排水口に置く際にも、やや斜めな状態から差し込むようなイメージで置き、カップ内の空気を抜けると、より効果的に使える状態を作り出せます。
2.排水口にゴム部分を密着させた状態でゆっくりと押し込む
3.カップが凹んだのが確認したら力を入れて引き抜く
2、3についてはまとめて解説していきます。
ラバーカップでつまりが解消する理由が、真空圧力によって「つまりの原因」が引っ張り出されるためというのは前述の通りです。
そして、ラバーカップを使う際にされがちな誤った使い方が、「つまりの原因を押し流す」ためにラバーカップを押し込むということ。確かに押し込む方が力を入れられますし、流すことを目的にしているならば、すぐに解消できそうな気がします。
しかし、一度はつまったものを奥に押し込んでも、またつまったり、事態が悪化したりすると予測できないでしょうか?
つまっていたものが溶けない異物だった場合は押し込んでも当然奥で溶けることはありませんし、トイレットペーパーの場合も固まって大きくなっている場合は、押し込んだだけではほぐれてはいきません。
また、「排水口にぴったりとつける」という使い方をするラバーカップで、つまりを押し込むこと自体が難しいともいえます。
根本的な解決が目的ならば、きちんと引っ張り出すことが重要です。トイレットペーパーのように最終的には流す場合でも、一度は引っ張りだして再度つまらないような状態にしてから流すのがベストでしょう。
4.つまりの原因を取り除く
ラバーカップを使って、無事つまりの原因を引き出せたら、あとは流すのみ…というわけではありません。いきなり流すのではなく、一度つまった原因となったものを便器の外へ取り出すようにしましょう。取り出したものを置いておくビニール袋やバケツなどを準備しておくとスムーズです。
それでは、どうして詰まっていたものを便器から取り出さなければならないのでしょう?異物ならばともかく、トイレットペーパーがつまっていたなら、「流せばいい」と考える人がいてもおかしくありません。
まず、トイレットペーパーがつまっていた場合であっても、一度は「つまった」ものです。塊のようになっていてほぐれにくくなっていたり、量が多いためにつまったりなど、つまった以上なんらかの理由があるはずです。そのため、流せるものであってもとにかくその状態を解消してから流さなければ、再度つまる恐れがあるでしょう。
トイレットペーパーのような紙類の場合は引っ張り出したことで崩れている可能性もありますが、そもそもがトイレつまりという異常事態であったことを考えて慎重に行動する方が安心です。また、おもちゃなどの溶けない異物がつまっていたのであれば、もともと流すべきではないため、取り出すことが正しい処理の方法といえます。
さらに、便器に引っ張り出されたものだけでは、つまりが取り切れていないという可能性もあるでしょう。いきなり水を流してしまうと、つまりが解消しきれていないために便器から水が溢れてしまうということもありえます。
無事につまりの原因が引っ張り出せたというときには、「つまりが取り切れているかのチェック」と「つまりの原因の正しい処分」を徹底するようにしましょう。
5.バケツで水をゆっくりと流しいれる
つまりが解消されたなと思ったら、お湯を使ったときと同様に最終確認を行います。レバーは使わず、バケツなどの道具で水を流し入れてみましょう。
こちらも注いだ水が減っていき、溢れることがなければ、無事つまりが解消されている証拠です。水位が変化しない場合は、他と同様まだつまっていることが考えられます。さらにラバーカップで引っ張りだすか、他の方法を試したり、業者に頼ったりすることを検討しましょう。
トイレに関わる作業である以上、ある程度汚れることは覚悟していても、汚水を被るようなことは避けたいものです。そんな事態を避けるためにも、汚水の飛び散り対策をしておきましょう。
また、この対策は「お湯の投入」を除いたほとんどの方法で、使うことの対策です。やっておくことで汚れることを避けられるだけでなく、後片付けもぐっと楽になりますので、事前にできる対策として忘れずにやっておきましょう。
トイレつまりの解決方法 初心者編その3:真空式パイプクリーナーを使う
初心者向けのトイレつまり解消方法の最後は、真空式パイプクリーナーと呼ばれる道具を用いた方法です。
真空式パイプクリーナーとは、ポンプクリーナーや加圧式パイプクリーナーとも呼ばれるもので、ラバーカップと基本的な原理は同じです。ポンプにラバーカップのゴム部分がくっついたような見た目をしています。また、ラバーカップは和式用や洋式用など様々な種類があると紹介しましたが、真空式パイプクリーナーの場合はその多くが、どちらのトイレに対応できるものとなっています。突起を内部に収めれば和式用、突起を引っ張り出すと洋式用と使い分けられるのです。どちらを買えばいいの?と悩むことがありません。
真空式パイプクリーナーは、見た目も原理もラバーカップに近いものですが、ラバーカップとは違って、ポンプを使い圧力をかけます。いわばラバーカップのパワーアップ版というわけです。実際に、ラバーカップでは直らなかったつまりが、真空式パイプクリーナーを使ったら一発でとれたというケースもあります。
基本的な使い方はラバーカップと変わらないため、気軽に使えるというのも嬉しいポイントでしょう。
1. 排水口に真空式パイプクリーナーを押し当てる
2. ゴム部分が浸るきるくらいに水を調整する
3. 真空式パイプクリーナーのハンドルを押し引きする
という手順になります。また、養生して飛び散り対策を行うことや、つまりの原因が出てきたらきちんと取り除くなどのことも忘れずに行いましょう。つまりがとれた際はいきなりレバーで水を流すのではなく、バケツで流してつまりをチェックするという点も同様です。
お手入れ方法はラバーカップと同様に水ですすいで、天日干しがベストといえます。真空式パイプクリーナーもカップ部分の素材はラバーカップと同じゴムであることが多いので、洗剤や漂白剤の使用はゴムを劣化させることにつながりますので避けましょう。
ラバーカップには和式用と洋式用が分かれていることは前述の通りですが、和式用として紹介したラバーカップは、トイレ以外の排水口にも対応しているのです。また、真空式パイプクリーナーの場合は、排水口のサイズに合わせて使用できる小型のカップが付属しているものもあります。場所によって付け替えて使えるというわけです。
そして、ラバーカップも真空式パイプクリーナーも、飛び散り対策や養生をして、カップに合わせた量の水を溜めて、排水口にくっつけ、押して引っ張るのを繰り返すという使い方で、それら全般に対応できます。一つもっているだけで、水回りのつまりに悩むことが減らせるというわけです。
しかし、トイレに使ったものを他の場所に使用するというのは、どんなに洗ったとしてもなかなか気になるところだと思うので、トイレ用と他の場所用と分けると衛生面でも安心ではないでしょうか。
トイレには強力な真空式パイプクリーナーを使用し、他の場所にはより安価に入手できるラバーカップなどを用いるなど、使い分けるのもおすすめです。
道具と技術を使った強力なトイレつまり解消方法
この項目で紹介していくのは、前述の方法では解決できなかった時に役立つ、専門業者もやることのある方法です。しかし、初心者向けのものに比べて、道具の価格も高い傾向にあり、使用には知識やテクニックが必要になってきます。そのため、個人でできるトイレつまりの解消方法の中ではハードルが高めな部類です。
こちらの記事では、一例として道具や使い方を紹介していきますが、この段階までトイレつまりが解決しておらず、状況や技術的に難しいと感じるのであれば、業者に依頼する方が費用的にも労力的にもお得となる可能性があります。
トイレつまりを自分で解決する際は、事態を悪化させないためにもとにかく無理のない範囲に留めましょう。
この項目では、以下の方法について詳しく説明しています。必要に応じてチェックしてください。
・ワイヤーブラシを使う方法
・高圧洗浄機を使う方法
・便器を取り外す方法
トイレつまりの解決方法 上級編その1:ワイヤーブラシを使う
一つ目の方法は排水管掃除やトイレのつまりに使える、専用のワイヤーブラシを用いるという内容です。詳しい方法を説明する前に、まずはワイヤーブラシについて詳しく知っておきましょう。
ワイヤーブラシは使用にはコツが必要です。というのも、業務用のものと比較するとワイヤーの強度が低く、内部でもつれるなどの危険性があるためです。最初の工程である便器の奥へ差し込むこと自体が大変と感じる方もいることでしょう。
それでは「強度のある業務用を購入すればいいの?」となるかもしれませんが、それも間違い。その理由は、業務用のワイヤーブラシ(トーラー)は、強度も長さもありますが、その分扱いにくさが上がるためです。
また、業務用のワイヤーブラシは、長さや強度を持たせるためにワイヤーブラシ自体のサイズも大きいです。さらに、価格もグンと上昇し、安くても五万円はかかります。そのためトイレつまりというトラブル解決のためだけに、業務用のワイヤーブラシを購入しておくのは、収納スペースやコストから考えても現実的とは言い難いでしょう。
そして、ワイヤーブラシを用いる場合、便器の構造を理解して作業しなければ、便器内部や排水管を傷つけてしまうリスクがあります。前述した強度の問題から「つまりを除去したつもりで水の通り道を少しだけ作っただけだった」というミスも起こりえるのです。
このミスが起きていた場合、そこに気づけないと再発の危険性すらあります。この方法をとるならば、トイレつまりの解消チェックは入念に行いましょう。
また、ワイヤーブラシを使っていると、つまっている場所によっては、長さが足らずにそもそもつまりへ到達できないという問題に直面することがあります。一見長いワイヤーブラシを使えばすぐ解決できることと思うかもしれませんが、ワイヤーブラシはワイヤーの長さが伸びるほど手元での感覚がつかみにくく扱いにくくなるのです。
そして、それらの結果から、初心者がワイヤーブラシを使用してトイレつまりを解消できる見込みは便器から排水管にかけて2m~3mの地点までとも言われています。
上記の点からワイヤーブラシの使用にはコツがいると考えられているわけです。
ここまでの情報から考えてみると、ワイヤーブラシを用いたトイレつまりの除去は、かかる労力の割に大きなリターンが確実に得られる方法ではないと思う方が多いことでしょう。
これまでに紹介した方法と比較してみても、気軽に試せる方法でもないので、ある程度の知識と技術のある上級者向けの手段といえます。
ワイヤーブラシを用いたトイレつまりの除去方法
さて、ここまで情報を確認したら、いよいよ使い方の紹介に入ります。使い方はもちろんのこと、上記のワイヤーブラシの特徴を理解してトイレつまりを解消していきましょう。
1. 養生をして便器にワイヤーブラシを伸ばし入れる
2. つまりに引っかかったらワイヤーを前後させ、崩して押し流すor引っ張り出す
3. つまりがとれたら「小」で水を流してつまりの解消を確認する。
4. ワイヤーを清掃する
作業手順は以上です。それぞれの手順をより詳しく説明していきましょう。
1. 養生をして便器にワイヤーブラシを伸ばし入れる
トイレつまりを取り除く作業で、養生すべきなのは言わずもがなです。とにかく汚水が飛び散ったり、溢れたりして、後片付けで苦労しなくて済むように徹底的に行いましょう。対策のやり方はラバーカップの項目で紹介したのと同じ方法で大丈夫です。
準備が終わったらワイヤーを2mほど出して、トイレの底に向かって伸ばしていきます。ワイヤーブラシの形態によっては、回しながら入れるなど操作が複雑になりますので、購入の際は要注意です。
そして、ワイヤーブラシを伸ばし入れるときにはワイヤーブラシを細かく動かして、トイレつまりの原因を探すことを忘れずに行いましょう。
2.つまりに引っかかったらワイヤーを前後させる
トイレつまりの原因を探しあてたら、それをトイレに負担のないサイズに崩しつつ、押し込んでいきます。
ただ、もしつまっているものが流してはいけないものであったら、押し込むのはNGです。押しこむのではなく、引っ張り出すことを意識してワイヤーブラシをつまりにひっかけていきましょう。
当然、物によっては引っ張り出せないということも考えられますから、むやみやたらにワイヤーブラシを動かして、便器内部や排水管を傷つけるなどのことがないように気を付けてください。
3. 水を流し入れてつまりの解消を確認する。
つまりがとれたと思ったら恒例のチェックの作業です。
バケツなどを用いて水を流し入れ、つまりが解消されているかチェックしましょう。この際、便器から水を減らしておいてから水を流し入れると、うっかり水が溢れるというトラブルも避けられるため、やっておくことをおすすめします。
4.ワイヤーを清掃して片付ける
ワイヤーブラシはその使い方の問題上、ラバーカップや真空式パイプクリーナーと違って、すすぎ洗いではキレイしきれないことが多いです。
汚物などのつまっていたものを削り落とした際に、ワイヤーブラシの窪みへそれらが入り込んでしまうためです。
お手入れ方法としては、使い捨てのスポンジやぼろ布、いらない歯ブラシなどに食器用洗剤をつけてキレイに洗浄します。あとは、よく乾かしてから、湿気のないところに新聞紙やビニール袋などに包んで保存して完了です。
ワイヤーブラシは金属のため、きちんとした後始末ができていなければ、サビだらけになって次には使えなくなっているという危険性もあります。
長く使うためにも、使用後のお手入れとサビ予防を徹底しましょう。また、お手入れ後に防錆剤などを使用して保存しておくというのも有効です。
「ワイヤーブラシを試してみたいけど今後全く使わなくて無駄になったら嫌だな」と考える人におすすめなのが、針金タイプのハンガーで代用するという方法です。
ハンガーを棒状に伸ばしてから、先端部をつまりの原因に合わせて加工することで、押し込んだり、引っ張ったりとワイヤーブラシと同じように対応できるようになります。
たとえば、トイレットペーパーがつまっている場合は輪っか型に変形させるのがおすすめです。先端を丸くすることで便器や排水管の損傷を避けながら奥まで押し込んでいけます。
次に硬い便がつまっているケースですが、これは渦巻型がおすすめです。ワイヤーブラシと同じ要領でつまったものを崩しつつ押し流していきましょう。
最後は異物を引っ張り出すための形状ですが、これは釣り針型になります。こちらは浅いところであればスマホなどの固形物も取り出せるはずです。しかし、押し込むことを目的にした輪っか型と比較すると、便器や排水管内部を傷つけやすい形状のため、作業には十分気を付ける必要があります。
トイレつまりの解決方法 上級編その2:高圧洗浄機を使う
洗車や外壁掃除に使われることの多い高圧洗浄機ですが、実はトイレがつまったときにも役立つ道具で、専門業者でもトイレつまりの除去に使用されています。強力な水圧でつまっているものを粉砕するため、真空式パイプクリーナーや薬剤では太刀打ちできない強力なつまりもすっきりと解決できるのです。
また、現在では業者にしか使えないようなハイモデルなものばかりでなく、家庭向けの高圧洗浄機を多数のメーカーが販売しており、サイズや費用ともに導入しやすくなっています。前述の通り、洗車からトイレのつまり取りまで幅広く対応できるため、今後使う機会が多数あるという家庭ならば、トイレつまりをきっかけに購入するのも悪くないかもしれません。
しかし、高圧洗浄機の選定といった知識の面や、家庭用のものでも購入には2万円以上かかるというコストの面、そして実際の作業では技術が必要と、初心者がトイレつまりを直すと考えた際には大変な部分が多いです。他の方法と違いお手軽なものではないため、正しいやり方でよく考えて作業を行うようにしましょう。
それでは、そんな高圧洗浄機を使ってトイレつまりを除去するにはどうすればいいのでしょうか?詳しく紹介していきます。
高圧洗浄機を使ったトイレつまりの除去方法
まずは簡単に手順からチェックしていきましょう。
1.養生して目的の場所までホースを入れる
2.電源を入れて汚物を粉砕する
3.少量ずつ水を流してつまりをチェック
以上が高圧洗浄機を用いた、トイレつまりの除去方法です。それでは、詳しく解説します。
1.養生して目的の場所までホースを入れる
高圧洗浄機を使ったトイレつまりの除去方法は、高圧洗浄機から勢いよく噴射される水を用いて、つまっているものを粉砕するという内容になります。そのためなんの対策もとらずに高圧洗浄機を使用すると、便器内の汚水や汚物が確実に飛び散ってしまいます。
ラバーカップの項目でも紹介しているように、穴を空けたビニール袋をかぶせたり、便器内の水を減らしたりと対策をとりましょう。
準備ができたら、便器内へホースを入れていきます。その際、高圧洗浄機のホースを配管洗浄用のホースに付け替えることが必要になるケースもあるでしょう。また、購入する高圧洗浄機が配管掃除に対応しているかも確認しておくことが必要です。
ホースの入れ方は画像のように、便器の底の曲がっているところに向けて突っ込むという形になります。そのため、配管掃除用のホースを選ぶときは、先端部分が曲がっているものや、ある程度可動するものを選んでおくと、便器への挿入もスムーズです。
2.電源を入れて汚物を粉砕する
目的地までホースが到達したら、あとは汚れを押し流すのみです。高圧洗浄機の電源を入れて水圧でどんどん押し込んでいきましょう。
3.少量ずつ水を流してつまりをチェック
他の方法と同様につまりがとれたら、全てとりきれているかのチェックです。バケツを用いて水を流し、通常通り流れたらつまりが解消されています。
そして、高圧洗浄機を使ってつまりをとると、ワイヤーブラシと同じように、「つまりの一部だけを落として全てとったつもりになる」といったトイレつまりの再発につながるトラブルが発生しやすいため、チェックは入念に行ってください。
高圧洗浄機にもとれないつまりがある?
高圧洗浄機は他の方法と比べて強力なため、固まったトイレットペーパーのような本来トイレへ流れるべき物はもちろんのこと、油分や塩分、そして排泄物などが固まってこびりついた汚れ、トイレ砂や嘔吐物などの異物もどんどん落とせます。
塊状になって大きな異物なっていたとしても粉砕してすっきり流すことができるのです。
しかし、そんな高圧洗浄機であっても、とれない「つまり」が存在します。それは、おもちゃや金属などの固形物で、水圧で崩すことができない異物です。押し流してしまって排水管を傷めることにつながる危険性があります。
崩れるつまりには絶大な威力を誇る高圧洗浄機ですが崩せない異物には太刀打ちできません。スムーズな解決と新たなトラブルを生まないためにも、つまっている内容に合わせて使うようにしましょう
つまりを「取り出したい」場合は、真空式パイプクリーナーやワイヤーブラシなどが適切な方法といえます。
トイレつまりの解決方法 上級編その3:便器を取り外す
最後に紹介するのは、ダントツで知識と技術が必要な「便器を外してトイレつまりの原因を取り除く」という方法です。この方法は、「溶けない異物」や、「つまりの原因が排水管の奥あるケース」であっても解決できます。しかし、完全に専門業者が対応するレベルの方法です。
また、当然ながら時間も労力も圧倒的にかかります。便器の脱着はあくまで最終手段として考えて、他の方法や専門業者を頼ることで解決できないかなど、今一度考えてから作業を開始しましょう。
それでは詳しい手順を紹介します。
1. 便器の水を抜き、鏡などを用いてつまっているものを確認する
2. 止水栓を締めて給水管を外す
3.タンク内の水を抜いたあと、タンクを取り外し割れないように移動させる
4.便器を固定しているボルトなど取り、便器を外す
5.異物を取り除く
6.逆の手順で再び便器を設置する
7.全て終わったら水を流して水漏れやつまりの確認を行う
以上が、便器を外してトイレつまりを取り除く手順です。詳しくみていきましょう。
1. 便器の水を抜き、鏡などを用いてつまっているものを確認する
便器を取り外す前に、便器の奥を鏡などでチェックしてみたら、意外ととれる場所につまっていたというケースもあります。
一度便器内の水を灯油ポンプなどで抜き切り、持ち手の伸び縮みする点検鏡を使って奥を見てみましょう。その際ヘッドランプがあると両手が使える状態で照らせるため安心です。
異物が見つかった場合は、ワイヤーブラシや、ワイヤーブラシの代用品として紹介した針金ハンガーなどの引っ張り出せる道具で引っ掛けてみましょう。ここで異物が取り除ければ、便器を外すことなく、トイレつまりが解消できます。
2. 止水栓を閉めて、給水管を外す
作業中に水があふれるなどを避けるためにマイナスドライバーで止水栓をしっかりと締めます。
また、この際に止水栓とタンクの間に通る、給水管も外しておきます。給水管の多くがモンキーレンチやウォーターポンププライヤーなどの工具で外すことができます。
3.タンク内の水を抜いたあと、タンクを取り外し割れないように移動させる
タンク内の水を取り除きます。便器内の水を吸い取ったときと同様に灯油ポンプなどを使いバケツへ移すと簡単です。
また、タンクの近くまでバケツを持って作業するのは大変というときは、タンク内の水を便器へ少しずつ流すと、便器から吸い取ることができます。トイレが詰まっている以上、溢れる危険性があるので、便器へ水を流すときは少しずつ流しましょう。
無事タンクと便器の水が抜き取れたら、タンクを固定している部品を取り外し、水に濡れてもかまわない安全な場所へ移動させます。
タンクも便器と同様に陶器製のため、落とさないように慎重な作業を心がけましょう。
4. 便器を固定しているボルトなど取り、便器を外す
ここまできたらいよいよ便器を外す作業です。便器を固定している部品を外して、便器を取り外しましょう。
また、部品は陶器でできているケースもあるため、割ってしまって便器を固定できないなどのトラブルが発生しないよう気を付けてください。
さらに、便器を持ち上げると下水管もむき出しになります。トイレの部品を下水管へ落とさないように注意深く作業しましょう。
5.異物を取り除く
便器の下側から覗いたり、下水管を覗いたりつまりの原因を特定しましょう。
また、下水管につまっていた場合は、より下流でつまる危険性があるためくれぐれも押し込まず回収してください。
トイレットペーパーや排泄物であれば、便器の設置が終わってから流す、異物であればゴミとして捨てるなど、それぞれに適切な方法で処分しましょう。
6.逆の手順で再び便器を設置する
外したときとは逆の手順で便器を取り付けていきます。部品の付け忘れや、破損などに気を付けて慎重に作業しましょう。
組み立てミスなどをしていれば、水漏れなどのトラブルを発生させる恐れがあります。
7.全て終わったら水を流して水漏れやつまりの確認を行う
つまりがきちんととれているかということはもちろんのこと、組み立ての際にミスが起こっていないかの確認も含めて、バケツなどを使って少しずつ水を流します。
床に水が流れ出るなどの異常が起きれば、なんらかのミスをしているので、再度便器を取り外して組み立て直しましょう。
また、無事に組み立てられたときには、止水栓を開けるなども忘れずに行っておきます。

上記の説明を読んで、自分にはとてもできないと感じた方が多いのではないでしょうか?便器の取り外しは、トイレつまりの状況によってはやらざるを得ないケースもあります。しかしながら、メーカーでは専門業者による対応が推奨されている作業の一つです。
そのため、今まで紹介してきた中でも最もおすすめできない方法といえます。長時間トイレが使えなくなる恐れや、部品が破損して正常には使えなくなるなどのリスクもあり、自己判断で行ってしまうのは大変危険です。
専門業者でこの作業をあまりやらないのも、それらのリスクを避けるためにかなりの技術が必要だからではないでしょうか。
他の方法で解決できるならば、それがベストというものです。自力で対応する場合は簡単な方法から試し、専門業者を頼ることも視野に入れて作業を行いましょう。
トイレつまりを引き起こす行動は?
💁 やってはいけないトイレつまりを起こす行動は9つあります。
★一度に大量のトイレットペーパーを流す
★ティッシュなどの溶けにくい紙を流す
★トイレに流せる系の製品をたくさん流す
★ペットの糞やトイレ砂を流す
★アクセサリーやおもちゃなどの異物を落とす・流す
★大きい便や硬い便、嘔吐物を流す
★生理用品やオムツ、トイレシートを流す
★[小洗浄」で流そうとする
★節水目的でペットボトルをトイレタンクに入れる
日常でうっかりしてしまいそうな行動もあると思います。よくトイレをつまらせてしまう場合は、以上のどれかが原因かもしれません。
やってはいけない!トイレつまりを引き起こす行動
自分で直すケースでも、専門業者に依頼するケースでも、トイレつまりが無事解消されたらもう安心!…といきたいところですが、今までと同じ使い方を繰り返していれば、再びトイレつまりが発生してしまうかもしれません。
どんな行動がトイレつまりを引き起こすのかを把握しておき、うっかりNGな行動をしていないか気を付けておきましょう。
その1:一度に大量のトイレットペーパーを流す
トイレつまりの主な原因であり最も多いと考えられているのが、実はトイレットペーパーです。
「トイレットペーパーは水に溶けるのにおかしい!」
と思うかもしれませんが、一度に流す量が多いと紙が団子状になったり、まとまったりしてしまい、通常の水流ではしっかり解れず、トイレつまりを引き起こすというパターンです。
また、粗悪品のトイレットペーパーは溶けるのに時間がかかると前述しましたが、こちらも大量に流すのはNG。むしろ一般的なトイレットペーパー以上の注意が必要ともいえます。
というのも、一般的なトイレットペーパーは水解紙と呼ばれる水に溶けやすい素材で作られていますが、粗悪品の場合はそもそも水解紙が使われていないということすらありえるためです。
大量のトイレットペーパーを一度に流さないように気を付けることはもちろんのこと、溶けにくいトイレットペーパーを使う際にはごみ箱を使用するなど、流さないようにする工夫が必要といえるでしょう。
JIS規格に則ったトイレットペーパーを使うと安心
大量に流さないように気を付けることはまだしも、
「本来流せるはずのトイレットペーパーをごみ箱に捨てるなんて…」
と、面倒くさく思ってしまう方もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、国内産のJIS規格に則ったトイレットペーパーを使用することです。
JIS規格とは日本工業規格ともいい、日本の国家基準の一つ。スーパーやドラッグストアなどに並ぶ一般的なトイレットペーパーはこのJIS規格に則って製造されており、品質などが一定の範囲におさまるよう決められているのです。
そして、その中には水に浸かると100秒以内に解れるという規格があります。そのため、どんなに安価なトイレットペーパーであっても、JIS規格に則っているならばトイレつまりのリスクが低くトイレに流しても問題ないと考えられるのです。
また、安価なトイレットペーパーの中には海外製のものもありますが、それを購入する際は要注意です。というのも、JIS規格に則っておらず、より溶けにくいということがありえるためです。
トイレつまりを予防するという観点でいえば、使い方に気を付けることはもちろんのこと、JIS規格の確認をすることも考えてみるといいでしょう。
その2: ティッシュペーパーなどの溶けにくい紙を流す
トイレットペーパーの次に多いといってもいいほど、トイレつまりの原因となっているのが、ティッシュペーパーによるつまりです。同じような柔らかく薄い紙なので一見流せると思いがちですが、ティッシュペーパーとトイレットペーパーは実は別物なのです。
前述したようにトイレットペーパーは水解紙と呼ばれる水に触れることで繊維が分離する性質の紙で製造されているためトイレに流せるのであって、ティッシュペーパーとは使用している紙からして違います。
逆にティッシュペーパーは、水に溶けにくい性質を持たせるための加工もされているほどで、見た目の割にはトイレにつまりやすい紙であるといえるでしょう。
トイレットペーパーがないなどの緊急時には、ついティッシュペーパーを使ってしまうという人もいるでしょうが、やはりトイレつまりを避けるという意味では危険です。やむを得ずトイレでティッシュを使うことがあった際は、トイレに流さずごみ箱にまとめるなどの対応をおすすめします。
その3:トイレに流せる系の製品をたくさん流す
ティッシュペーパーやお掃除シートなどのなかには、トイレに流せるタイプの商品があります。それらの商品は流せる分、掃除の手間が少し削減されたり、トイレットペーパーがないときに助かったりとかなり便利です。
しかし、そんな流せる系の商品ですが、実はトイレットペーパーと比較すると水に溶けにくいのです。
そのため、トイレットペーパーと同じ感覚で使っていると、溶けるのに時間がかかってトイレつまりを発生させる原因になってしまいます。一般のティッシュペーパーよりは溶けやすく、トイレットペーパーよりもつまりやすいと考え、使う枚数に気を付けるといいでしょう。
特にお掃除シートなどは、一枚当たりが分厚いためにより注意が必要です。お掃除に使った分をまとめて流すのではなく、一枚~二枚に分けて流していくとトイレをつまらせることは避けられるでしょう。
トイレットペーパーに吹き付けて使用するスプレータイプを使うこともトイレつまりを予防するならばおすすめです。
また、商品によっては注意書きで「一枚ずつ流してください」という記載があるものもあります。しっかりと確認して正しい使い方を心がけるといいでしょう。
その4:ペットの糞やトイレ砂を流す
「愛犬(愛猫)の糞の処理は自宅のトイレに流して済ませている」
動物好きの中にはそんな方もいるのではないでしょうか。実はその処理は、半分正解で半分間違いです。というのも、下水処理能力などを理由に流すことは禁止し、ごみとしての処理を案内している自治体もあれば、トイレに流すことを推奨する自治体もあるためです。
また、ペットの糞はドライフードなどの影響で、人間のものよりも硬く水に浮きやすい傾向があります。人の便に比べて溶けにくく、排水管を流れにくいというわけです。さらに猫の糞であれば、毛繕いでとれた毛が紛れ込むことでより詰まりやすい性質を持っています。
他にも散歩の際に回収した糞であれば、小石や砂、草などのトイレつまりを起こしかねない異物が付着していることもあるでしょう。
トイレつまりを防ぐためにも、処分する際は柔らかくしてから流す、小石などの不純物を取り除くなどの注意を払うのがベストです。さらに自治体によって禁止されている場合は必ず可燃ごみとして処分するなど、正しい処分方法をとるようにしてください。
また、猫ちゃんを飼っている家庭のほとんどが使っているトイレ砂もトイレつまりの原因として知られています。トイレに流せないタイプを流してつまらせることはもちろん、流せるタイプであっても大量であればつまることがありえます。素材に合わせた処分方法を選ぶことは当然として、流せるタイプであっても大量に流すことは避けるようにしましょう。
トイレ砂にはこんな素材がある
トイレ砂には大きく分けて3つの素材があります。
一つは鉱物系で自然の砂に似た素材で、やや重くトイレに流せないことが多いです。しかし、こういったトイレ砂を好む猫ちゃんは少なくなく、必ず使っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
次にシリカゲルでできているタイプの砂です。トイレ砂自体が尿を吸い込むほか、消臭性や利便性の高さから愛用している方も少なくないでしょう。しかし、尿を吸い込むという説明の通り、シリカゲルは吸水性の高い素材です。トイレに流せばつまらせることになりかねないので、当然トイレに流せません。また、自治体によっては燃えないゴミでの処分を指示しているところもあります。
3つ目が紙や木材といった自然素材系で、流せるタイプに多いのがこれらを素材としたトイレ砂です。しかし、さまざまな素材を合わせたトイレ砂が多いので、自然素材がメインであれば無条件に流せるというわけではありません。
トイレ砂を流す場合は、パッケージをよく読み、流せることが明記されているのを確認するのが一番でしょう。使っているトイレ砂の素材をしっかりと把握することで、ついうっかりということも避けられます。
流せるトイレ砂は注意書きをしっかりチェック
一口に流せるトイレ砂といっても、乾燥して固まっているときには可燃ごみとして処理することが必要であったり、大きい固まりの場合は崩してから流すことが必要であったりと、意外と注意しなければならない点が多いです。
他にも、節水タイプのトイレでは使用できないものなどもあり、トイレに流せるタイプといえども無条件に流せるというわけではないことが分かります。
初めて購入したトイレ砂を使用する際は、しっかりとパッケージの注意書きを確認するようにして、なんとなく使っていたという方も今一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
その5:アクセサリーやおもちゃ、スマートフォンなどの異物を落とす・流す
「ポケットからスマホが落ちたことに気づかず…」
「子供がトイレにいたずらして…」
「掃除に使っていた洗剤のキャップが…」
という風に、うっかりと便器に異物が落ちてしまったことってないでしょうか。その場ですぐ取り出し解決した場合は問題ないですが、落としたものによっては汚いし小さいから大丈夫だと思って流してしまうという人も少なくないはずです。
小物であれば流してしまうと便器には戻ってこないため、その場は「解決した!」と思うかもしれません。しかし、金属やプラスチックなどは当然ながら水に溶けることがないので、奥の方で留まっているというのも少なくないのです。そして、そのままいつも通りにトイレを使って、忘れたころにトイレつまりが発生ということもありえます。
ちなみに、綿棒も意外とトイレへ流してしまっている人が多いものの一つです。トイレットペーパーの代わりにティッシュペーパーを使ったというようなパターンとは違って、いくつもの綿棒を一気に流すということはありませんし、なによりも細いですから、早々詰まることはないと考える方も多いのでしょう。
しかし、綿棒もティッシュペーパーと同様に溶けにくい紙を素材にしているので、トイレをつまらせることは十分ありえます。
便器に何かを落とした場合は取り出す、ティッシュや綿棒はごみ箱を備え付けたり、汚物入れの中に捨てたりすることで、トイレに流す以外の処分方法をとるようにしましょう。
その6:通常よりサイズの大きい便や硬い便、嘔吐物を流す
便でトイレがつまるのはどうして?
トイレを普通に使った結果トイレつまりが起きる…というのは本末転倒のようですが、サイズが大きい便や硬めの便は、ただ水を流しただけでは崩れず流れにくい傾向にあります。そのためトイレつまりの原因になりえるのです。
団子状でほぐれにくくなったトイレットペーパーによってトイレつまりが起きるのと同じと考えるとわかりやすいでしょう。普通よりも強固になっているために、本来なら溶けて流れるべきものにも関わらず、簡単に流れていかないようになるのです。
では、そういった便を流す際はどうすればいいのでしょうか?トイレブラシなどの道具を使って崩すほか、しばらく便器に放置して柔らかくしておくといった流れやすくする工夫が必要です。
ただし崩すために熱湯を使用すると、便器が割れたり、排水管を傷めたりといったトラブルに繋がります。
トイレつまりを予防するつもりで新たなトラブルを発生させないためにも注意しておきましょう。
嘔吐物でトイレつまりが起きる理由って?
次に嘔吐物ついてです。嘔吐物は排泄物と同じと考えられがちですが、それに比べて未消化な食べ物が多く含まれています。つまり固形物であることが多く、硬い便と同様にとどまりやすく崩れにくいというわけです。
そのうえ油分も多いため水に浮く傾向もあります。一か所に固まるということも少なくなく、大量に流してしまえば便器の内部や排水管にこびりつき、水流を弱めてトイレつまりを引き起こすでしょう。排泄物と嘔吐物は別物なのです。
嘔吐物の処理はビニール袋などに吐き、キッチンペーパーなどに水分を吸わせて捨てるのがベストです。とはいえ、吐きたいときというのは緊急事態。気にしてられないという方も少なくないはずです。どうしてもトイレに吐いてしまうというときには、嘔吐物だけを何度も流すようにすると、排水管内部で固まるリスクを減らせます。
また、同じ理由から食べ残しやカップ麺の残り汁などもトイレに流すのは要注意。固形物である食べ残しはもちろんのこと、水分が多く思える残り汁でさえも、流してしまうと油分や塩分が冷えて固まり、便器の内部や排水管を狭めていってしまいます。
トイレつまりを避けたいならば、嘔吐物と同様にキッチンペーパーなどで水分を吸わせて、ごみとして処分するのがおすすめです。
その7:生理用品やオムツ、ペットのトイレシートを流す
うっかり流してしまってトイレつまりを起こした…というパターンが多いのがこれらの紙製品たち、
「トイレットペーパーとは違うけど結局は紙だから大丈夫だと思った」
「うっかり落としちゃって取り出す気になれなくて…」
と、これらを流した経験のある方は少なからずいるはずです。あるいは落ちたのに気づかずトイレットペーパーと一緒に流してしまい、取り出すに取れだせなくなったという方もいるかもしれません。
ナプキンなどの生理用品をはじめ、オムツやペットのトイレシートの多くは、吸水性を高めるために吸水ポリマーが中に入っています。そのため水で流してもトイレットペーパーのように崩れることはありません。それどころか、膨らんで便器の奥や排水口をふさいでしまうことすらありえます。
そのような性質を持っているため、生理用品やオムツなどの紙製品を流すのはNGです。また、前述したようなお湯で溶かすやり方やラバーカップも通用しないでしょう。
万が一に流してしまうとティッシュペーパー以上の強力さでつまり、便器を取り外すなどの大がかりな作業が必要になるかもしれません。
その8:便の種類に関係なく「小洗浄」で流そうとする
レバーやボタンなど形態は様々ですが、トイレでは「大」「小」と、便に合わせて流す水の量が変えられるようにできています。みなさんはその大小のレバーやボタンをどのように使い分けているでしょうか?
「流れるか不安だからすべて大で流している!」
「便に合わせて使い分ける」
「経済的なことや環境を考えると小が一番」
など、色々な方がいることでしょう。
もし節水や環境への配慮などを理由にすべて小で流しているならば、それはやめるべきかもしれません。というのも、水圧が弱いとトイレットペーパーや排泄物が流しきれず途中で止まってしまうことがあるためです。
便器からはなくなったように見えても、割と近くで留まっているということすら考えられ、トイレつまりが発生してもおかしくない状況を作り出しているかもしれません。
洗浄の際の水量は使用方法に合わせて必要な水量が設計されています。節水や環境への配慮など色々な理由があるとは思いますが、トイレをつまらせないようにするならば、「小」のときは「小洗浄」で、「大」のときは「大洗浄」と、適切な流し方を選ぶようにしましょう。
小の時でも大で流した方がいいこともある!?
「小」の時は「小洗浄」、「大」の時は「大洗浄」で流すようにと伝えたばかりですが、実は「小」のときでも「大洗浄」で流した方がつまらなくなるケースがあります。それはホールドタイプと呼ばれるレバーが使われているトイレでトイレットペーパーを使用した場合です。
ホールドタイプのレバーは、ひねっている間のみ水が流れるタイプのレバーです。小で流してみたらトイレットペーパーまで流れなかったという経験はないでしょうか?それは、そのトイレがホールドタイプのレバーを設置したトイレだったからかもしれません。
ホールドタイプの小洗浄は、尿「のみ」を流すことを想定して水量が設定されています。そのため、一瞬だけ水が流れて止まるだけなのです。
つまり、男性のように小を流すだけであれば「小洗浄」で流しきることができますが、トイレットペーパーを流したいとなると水圧が必要なため、ひねり続けて水を多めに出すか、「大洗浄」を使う必要がでてくるのです。
現在はひねった瞬間に一定量が流れるノンホールドタイプが主流になってきていますが、便器の寿命は長いためか、まだまだホールドタイプが使われているトイレもあります。ホールドタイプのトイレを使うときがあれば注意しておきましょう。
流れる水には大と小で約1リットル以上の差がある
なんとなく大小それぞれの洗浄で流れる水の量は違うと思っていても、具体的な差までは知らないという方がほとんどではないでしょうか。実は一回の洗浄で大と小で流れる水の量には約1リットル以上の差があるとされています。
メーカーや機種の違いのほか、節水タイプなど多種多様なトイレが増えてきているため、すべてのトイレがそうであると断言することはできませんが、大で6リットルほどで、小が5リットルほど、一回の洗浄で流れるのが一般的です。
予想より多いと感じた方もいるのではないでしょうか?しかし、トイレの水の役割を考えてみると意外と納得できるものです。
トイレの水の仕事は、ただ便器から排泄物やトイレットペーパーを流したら終わりではありません。便器内部や排水管内で留まらないように平均10メートルもの距離を流しきるのも役割です。これはトイレの評価基準としても設けられているものでもあります。
節水は経済的にも環境にもやさしい行為です。しかし、トイレつまりが発生してしまえばそのトラブルの解決に苦労することになってしまいます。また、トイレつまりの修理もトイレつまり自体も排水管や便器にも負荷を与えるため、トイレの破損を発生させる恐れがあり、経済的には大ダメージということになりかねません。トイレつまりが発生しない程度の賢い節水を心がけるのがベストといえるでしょう。
適切な洗浄方法を使うことで節水にもなる!
上述したように一般的なトイレでは、一回の洗浄で大で6リットルほど、小で5リットルほどの水が使われており、大小のそれぞれで使われる水には1リットル以上の差があります。そのため、「すべて大で流す」のと「便に合わせて大小を使い分けた」のとでは、トータルで大差が生まれてきます。一人暮らしではなく家族と生活している世帯であれば、その差はさらに大きくなることでしょう。
例として一日のトイレ回数を5回(大1回、小4回)とした状態で計算してみましょう。大小それぞれ使い分けていれば26Lで済みますが、すべて大で流していると30Lとなり、4Lの差が生まれます。
一見大した差ではないと思えるかもしれませんが、これはあくまで一日のトイレ回数を5回とした場合です。実際にはトイレの回数が多くなることもありますから、かなりの差がでてくることでしょう。
つまり、洗浄方法を意識するということは節水に繋がるわけです。節水を意識するあまりに小洗浄ばかりを使っていてはトイレつまりが起きる危険性がありますが、すべて大で流すというのも節水という観点では危険です。ただ洗浄方法を考えるという簡単な方法なので、今すぐ試してみるのもいいでしょう。
その9:節水目的でペットボトルをトイレタンクに入れる
簡単にできるトイレの節水方法として有名なのが、トイレタンク内に水を入れたペットボトルやレンガなどのブロックを入れるという方法ですが、実はこれは危険な節水方法なのです。詳しく説明する前に、まずはタンク内部がどんな構造になっているか確認しておきましょう。
トイレタンクの構図は図のようなものが一般的です。
そして、レバーを回すと鎖で繋がったゴムフロートが持ち上がり、一定量の水が流れます。レバーが元の位置に戻るとゴムフロートが閉まるため、給水された分が溜まっていきます。給水により水位が上がってくると、ボールタップに連動して浮き球が動き、給水を止めます。これにより、タンクの水が溢れないようになっているのです。
ペットボトルを用いた節水方法は、トイレタンクがもつ上記の仕組みを活かしたもので、ペットボトルの体積分の水を減らしながら、本来と同じ水位まで到達できるようになっています。その結果、一回で流れる水量も減るというわけです。
しかし、その8でもお伝えしたように、一度に流れる水の量は排泄物を流しきることを計算して設計されています。そのため、流れる水量が減ってしまうと、途中で排泄物を便器や排水管内部で止まらせることになりかねません。繰り返すうちにトイレつまりを引き起こしてしまうというのもありえない話ではないでしょう。実際にメーカーでもこの節水方法はとらないように呼び掛けられています。
A.異物をタンクの中に入れないでください。
【理由】
タンクの容量は、便器の洗浄に必要な水量として設計されたものです。
この水量が足りないと、便器内の洗浄が十分できないことや排水管内で汚物が詰まるといった不都合が発生いたしますので、異物をタンクの中に入れないでください。
節水をご希望される場合は、あらかじめ少ない水量で流せるように設計された節水便器をご利用ください。』
引用:TOTO公式HPより https://qa.toto.jp/faq_detail.htm?id=82881&category=&page=1
節水の結果トイレつまりを起こしてしまうと、節約した水道代以上のお金を使うこともあり、それでは本末転倒というものです。短期的な節水ではなく、継続の結果どんなことが起きるか?ということも考えて、安全な節水方法を選ぶようにしてください。
トイレタンクにペットボトルはデメリットしかない!
トイレタンクにペットボトルを入れる節水方法は、実はトイレつまり以外のトラブルも引き起こします。「トイレつまり」というテーマからはやや外れますが、知っておいて損のない情報ですので紹介していきます。予備知識として持っておきましょう。
タンク内部を壊すかもしれない
トイレタンクにペットボトルやブロックを沈める節水方法ですが、当然ながら沈めるだけで固定方法までは考えないのが普通ではないでしょうか?節水方法自体が誤りのため、そもそもやってはいけないのですが、固定しないというところもこの節水方法の危険なところです。
というのも、固定されなかった異物は、徐々にズレてしまって内部の部品に引っかかったり、ぶつかったりします。勢いよく当たるということはないでしょうが、本来ないはずの刺激があるというのは部品にとってよくない環境です。そしてそんな状況が続いていれば、部品の劣化を早めたり、故障につながったりということも考えられます。
部品が壊れてしまえば当然修理が必要となります。そうなると費用がかさんでしまい、節水どころではないでしょう。壊さずに使いたいと考えるならば、やはりこの節水方法はやめておくのが無難といえます。
水が流れっぱなしになってしまう
タンク内部に入れた異物が部品にぶつかったり、ひっかかったりするかもしれないということは上述しましたが、そういった不具合は部品を壊すまでにいかなくとも、常にレバーが引っ張られて水が流れ続けるなどのトラブルも引き起こすかもしれません。
水が流れっぱなしになるというのは、明らかに異常事態なためすぐ気づける方がほとんどでしょう。しかし、原因まで思い当たることができるでしょうか?
もし、気づくことができなければ対処も遅れてしまいます。節水するつもりが水を浪費してしまうということを考えると、やはり適切な節水方法とはいえないでしょう。
トイレつまりは起こさない!正しい節水方法とは
前項の「やってはいけない!トイレつまりを引き起こす行動」では、トイレつまりを引き起こす行動の一つとして、「誤った節水方法」を紹介しました。
しかし、トイレがかなりの水を使うことは事実であり、家族が多ければそれだけ使用量も増えていきます。削れるものなら削りたいと考えるのも仕方がないことなのかもしれません。
それでは、節水を諦めてかさんでいく水道代を眺めるしかないのでしょうか?答えはNOです。
前述した節水方法は、「一回に流れる水量を減らしてしまい、トイレつまりを引き起こすため」に間違ったものとして紹介しました。
トイレつまりを引き起こさない節水方法であれば問題ありません。こちらでも紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
正しい節水方法その1:お風呂の残り湯を流すのに使う
一つ目はお風呂の残り湯をバケツなどに組んでおいて、それを流すのに使用するというものです。
タンクに残り湯を入れておく形でもいいですし、バケツから直接便器に流すという方法でも大丈夫です。詳しく説明していきましょう。
タンクにお風呂の残り湯を入れる方法
タンクにお風呂の残り湯を入れて流す場合は、タンクへ給水されないようにする必要があります。そうしなければ、すぐに給水がはじまるため、残り湯をタンクへ入れることができなくなります。手順を箇条書きで紹介しますので、チェックするといいでしょう。
1.止水栓を締めて給水されないようにする
2.水を流して一定量までタンクの水を減らす
3.流すのに必要なだけ残り湯をタンクへ入れる
これで残り湯を使用してトイレを流せるようになります。ただ注意してほしいのが、追加する残り湯を少なくしないことです。追加する残り湯を少なくすると、ペットボトルをタンク内に入れる方法と同様に、排泄物を流しきるだけの水が出なくなってしまいます。トイレつまりを引き起こしかねないので、気を付けておきましょう。
止水栓を締めて一回目の水を流す前にサインペンやテープを使って、初めの水位に印をつけておくと過不足なく残り湯を注げます。また、タンク内の水がいっぱいになれば、便器内へ溢れてくるので、それで判断するという方法もあります。自分に合った判断方法を選ぶといいでしょう。
また、手順の中で「止水栓を締める」というものがありましたので説明しますが、止水栓を締めることで便器に流れる水の量を減らすことはできません。というのも、トイレタンクは一定の水位まで溜まるようにできており、止水栓がきつく締めてあっても、ゆるめてあっても溜まる水の量は変わらないためです。
もちろん一切水が出ないように止水栓を締めておけば、給水されなくなるのでタンクに水が溜まることはありません。ただタンクに水を溜めないということはレバーをひねっても流せなくなるだけです。また、ある程度水を溜めて止水栓を締めるというやり方も、ペットボトルを沈めて水位を上げる方法と変わらないので危険です。
止水栓を締めるのは、トイレつまりなどのトラブルでトイレの修理をすることになったときや、今回のような別の方法で給水するというときだけにしましょう。
バケツから直接流す方法
こちらの方法はとても単純。バケツから残り湯を便器に向かってある程度の勢いをつけて注ぐだけです。トイレの構造上、トイレつまりなどのトラブルがない限りは溢れることもないので、いちいち止水栓を締めるなんて面倒くさいという方にもおすすめです。止水栓を締めない分、いざとなったら普通に流すことができるのも強みでしょう。
ただ弱点としては「大」の場合流しにくいところがありますし、ある程度の水量がなければトイレつまりを引き起こしかねないというところです。また、慣れないうちは周りに残り湯をこぼしてしまう、跳ねさせてしまうという点も気になる人もいるでしょう。
そのためおすすめの方法は小にはバケツを使い、トイレットペーパーを多く使ったときや「大」のときにはきちんと流すというものです。自分でやりやすいのはどの方法か考えるといいでしょう。
正しい節水方法その2:節水型トイレに変更する
その1の方法と比べて費用がかかってしまうものの、長期的にみれば確実な節水になる方法がこちらの「節水型のトイレに変更する」というものです。
「やってはいけない!トイレつまりを引き起こす行動」の「その8:便の種類に関係なく「小洗浄」で流そうとする」では、一般的なトイレは小で約5L、大で約6Lの水を一回の洗浄で使っていると紹介しました。
しかし、現在もメーカーは更なる努力を重ねており、一回に流す量を3.3L、大で3.8L程度に収めているものもあるのです。一般的なトイレと比較すると、2L近く減らしているということになります。もっと古いトイレの場合は、10Lや20Lもの水を洗浄に使う型もあるため、それらを使っている家であれば、変更するだけでさらに大きく節水できるでしょう。
そして、変更しようと考えると、当然トイレ代にリフォーム代と多くの費用がかかってきます。しかし、長期的な水道料金を考えるとどうでしょうか?意外といい方法と感じた方が多いのではないでしょうか。方法の一つとして候補に入れてもいいはずです。
また、「やってはいけない!トイレつまりを引き起こす行動」でも紹介したような、大小それぞれの洗浄をしっかりと使い分けることも、正しい節水方法の一つです。様々な理由から自宅ではできないと考える方もいるかもしれませんが、試せそうだと思うことがあればやってみてはいかがでしょうか。
節水グッズを使いたいなら注意が必要
「トイレつまりを起こさず節水したいなら、節水グッズをとりつけるのも有効です!」と紹介したいところですが、実はこの方法には注意が必要で、良いとも悪いとも言えないのが正直なところです。
たとえば、トイレのタンク内にとりつけるだけで、レバーをひねっている間だけ水が流れるようにできる節水グッズがあります。疑似的にホールドタイプとして使えるようにするグッズといえば、分かりやすいでしょうか。
「すでに排泄物やトイレットペーパーは流れているのに…」
と考えると、レバーをひねるのをやめるだけでその水がカットできるというのはなんとも魅力的に思えます。
しかし、「やってはいけない!トイレつまりを引き起こす行動」でもお伝えしたように、一度に流れる水の量は約10メートルもの距離を流しきることを計算して設計されているのです。一見無駄に思える水もそのトイレでは適量ということになります。
そして、それらのグッズを使い、流れる水の量を無理やり減らしてしまってはトイレつまりを引き起こすことになりかねません。そのため、こういったグッズを使う場合は、トイレットペーパーを多く使ったときや、大のときにはレバーを押さえ続けるなどの注意が必要となり、おすすめとは言えないのです。
また、トイレに使用する節水グッズの多くが、こういった一度に流れる水を減らすという内容のため、トイレつまりを予防するという意味では注意して使う必要があります。もし使用する場合はトイレつまりを起こさぬよう注意しましょう。
尿石はトイレつまりの原因になる?
💁 尿石と呼ばれる尿が変性した物質によってトイレつまりを引き起こすことがあります。
尿石はその名前の通り、石のように固く軽くこするだけでは取り除けないことがほとんどです。
トイレつまりや悪臭の原因になる「尿石」が除去できる掃除方法は
★酸性のトイレ用洗剤
★尿石除去剤
★クエン酸 を用います。
尿石はアルカリ性の汚れのため、酸性の洗剤を振りかけるだけでもすっきりと落ちるケースがあります。
トイレ用洗剤のような強力なものは使いたくないという方は、クエン酸を使用して掃除してみるといいでしょう。
トイレつまり予防のためのチェックポイント!
トイレつまりは異物がつまるだけでなく、水流が弱まるなどの便器の不具合でも発生するトラブルです。
そのため、常日頃から点検して異常に気づいたり、掃除をして原因となる汚れを取り除くようにしたりと、注意を払うことでトイレつまりが予防できるということもありえます。
チェックポイントをいくつか紹介していきますので、予防を考えているならば気を配ってみてはいかがでしょうか。
その1:手洗い管に水漏れが起きていないか
手洗い管とは、画像の赤丸で囲ったところようにトイレタンクに設置してある蛇口のことで、トイレタンクへの貯水兼手洗いを行うために設置されています。そのため、この手洗い管に水漏れなどの不具合が発生していれば、タンク内に必要量の水が溜まっていかなくなります。
タンク内の水は排泄物やトイレットペーパーを流しきるために計算して、設計されているということは前述の通り。それでは、手洗い管が適切に働かないために、貯水が上手くいかなければどうなるでしょうか?
必要量に満たない水では水圧や水流が弱く、汚物が流しきれずつまるということが引き起こされるでしょう。
このように手洗い管の水漏れはトイレつまりに影響します。もし、使用しているトイレがタンク付きのトイレで、手洗い管の設置されているトイレならば、水漏れしていないかをチェックしておくと、トイレつまりの予防に役立つでしょう。
また、手洗い管から水漏れする原因としては、手洗い管に使用されているパッキンが劣化していたり、手洗い管と給水管の接合部分に問題があったりということが考えられます。その際は部品の交換や修理が必要となりますが、素人知識で交換や修理を行うと、適切な設置ができないということもありえます。
かえって事態を悪化させるということが起きかねないため、専門業者に依頼するのが無難といえるでしょう。
その2:トイレタンクの水量
タンクレストイレは増加傾向にあるものの、まだまだタンク付きのトイレを使っているという方も多いことでしょう。タンク付きのトイレを使用している場合は、このタンクの水量に要注意です。
他の項目でも紹介したように、タンク内の水量は排泄物やトイレットペーパーを流しきることを計算して設定されています。そのため、足りないということがあれば、きちんと流すことができずにトイレつまりを引き起こします。
トイレの使用後に便器へ流れる水の量が少ない、水圧が弱いなどの異常を感じた際は、トイレタンクの水量をチェックしてみてください。
また、トイレタンクの水量が少なくなる原因としては、その1のように手洗い管に水漏れが発生しているほか、タンク内の部品が破損していることにより、トイレタンクが水漏れしたり、適切な給水ができなかったりしていることが挙げられます。
さらに、止水栓を閉めていると、タンクへ流れる水が減ったり、なくなったりします。その場合、使用後に給水ができない、あるいは給水に時間がかかるといったことが起きるのです。タンクの部品や手洗い管などに問題がないにも関わらず、給水が上手くいかないというときには、それを閉めていないかなどを確認するのもいいでしょう。また、トイレつまりの修理や水漏れなどの理由がない限りは、止水栓を閉めないことをおすすめします。
ちなみに、人が使った直後であれば、タンクへの給水が終わっていないため、適切な水量や水圧で流れないということはありえます。その場合は、特にトラブルというわけではないため、給水を待ってから流せば、トイレつまりを引き起こすことはないでしょう。
その3:尿石の蓄積
トイレつまりは尿でも引き起こされることをご存知でしょうか?厳密には尿石と呼ばれる尿が変性した物質によってトイレつまりを引き起こすことがあります。
尿石はその名前の通り、石のように固く軽くこするだけでは取り除けないことがほとんどです。そして、便器や配管にこびりつき蓄積していくため、水の流れを悪くします。そのため、トイレつまりが起きる恐れがあるのです。
長年使い続けている、めったに掃除しないなどのトイレは尿石が蓄積しているかもしれません。便器に黄色い汚れが付着しているのが見てとれるときは、尿石が蓄積していると考えてもいいでしょう。その際は後述する方法で掃除を行い、尿石の除去を行うことをおすすめします。
また、尿石はトイレつまりを引き起こすだけでなく、アンモニア臭などの悪臭の原因にもなります。トイレの臭いが強くなってきたと感じたときも、尿石が蓄積していないか気にかけてみましょう。常に掃除を心がけておくと尿石自体を予防できます。
尿石が除去できる掃除方法とは
掃除方法その1:酸性のトイレ用洗剤を使用する
まずは「サンポール」などの酸性トイレ用洗剤を使用した尿石除去方法です。尿石はアルカリ性の汚れのため、酸性の洗剤を振りかけるだけでもすっきりと落ちるケースがあります。詳しい掃除方法を紹介していきましょう。
1. トイレの水を抜く、乾いた状態にする
2. 尿石で汚れている部分へ洗剤をかける
3. 硬めのトイレ用スポンジを使用して擦り落とす
特に一つ目は重要で、水で洗剤が薄まってしまうとその効果も弱まってしまいます。灯油用ポンプなどを用いて、バケツに移すとスムーズに便器の水をなくすことができます。
酸性の洗剤を使用した尿石除去方法 応用編
次に、より効率的に尿石を除去したい方に向けて、応用編を紹介します。
尿石の汚れが強力すぎて、前述のやり方が通用しなかったというときは、トイレットペーパーなどを用いて汚れ部分を「パックする」という方法が有効です。洗剤が尿石に密着し、より強力に分解してくれるため、すっきりと落とすことができます。
また、この方法で尿石除去を行う場合、洗剤でトイレットペーパーが濡れて破れるということがあります。それを避けたいと考える場合は、パックの際にラップを用いるという方法もあります。
当然ながらラップは水に溶けませんから、流してしまうとつまるためくれぐれも流さないようにしましょう。パックに使ったトイレットペーパーを一度に流すというのも危険です。
掃除方法その2:尿石除去剤を使用して掃除する
酸性のトイレ用洗剤を使用しても除去できないというときには、尿石除去剤といった本格的な薬剤の出番です。尿石除去剤は塩酸などを主成分とした酸性の強い洗剤で、アルカリ性である尿石に対して高い効果を発揮します。
そして、その多くが医薬用外劇物として指定されており、清掃業者などのプロにしか購入できないほか、購入時には手続きが必要であったり、取り扱いに注意が必要であったりします。
しかし、最近では薬品の配合を変えることで、一般的なトイレクリーナーと同様にホームセンターや量販店で手軽に購入が可能なものが登場しているのです。
上記のように一般的なトイレクリーナーと同様に購入できるものであっても、尿石除去剤である以上、効果は強力であり使用の際には危険が伴います。必ずゴム手袋や保護メガネ、服装などに気を付け、皮膚、目や口といった粘膜につかないように注意しましょう。
それでは尿素除去剤を使った掃除方法を紹介していきます。
1. 尿石などの汚れが気になる部分へ塗布する
2. 一定時間置いて薬剤を反応させる、もしくはトイレブラシを使用して擦る
3. 十分に薬剤と汚れを流す
基本的な掃除方法は上記になります。しかし、尿石除去剤はメーカーや製品によって使い方が変わってきます。必ず使い方を確認してから掃除を行うようにしましょう。
また、なかなか落とせない尿石の場合、酸性の洗剤を使用したときと同様にトイレットペーパーを汚れのある場所へ貼りつけ、そこへ尿石除去剤を塗布して、一定時間放置して反応させるという使い方もできます。
とはいえ、こちらもできる尿石除去剤とそうでないものがあるため、購入の時点でよく確認するようにしましょう。
掃除方法その3:クエン酸を使用する
尿石除去剤のような強力なものはもちろん、トイレ用洗剤のような強力なものは使いたくないという方は、クエン酸を使用して掃除してみるといいでしょう
少量の水と混ぜてペースト状にして塗布するほか、スプレー容器に水と混ぜてクエン酸スプレーとして汚れへ塗布するなどの使い方ができます。
クエン酸は汎用性のある天然の洗剤で、アルカリ性の幅広い汚れを落とせるという魅力があります。しかし、やはりそれを目的として配合されている洗剤などとは違って、効果が落ちてしまうという弱点も考えられます。
クエン酸では落とせず、洗剤の類を使いたくないという場合は、清掃業者などのプロに依頼してみるのも良いでしょう。
尿石の変性する前は尿であり、本来は簡単な拭き掃除などで取り除けるものです。そのため、小さな汚れでも気づいたらすぐ掃除したり、毎日・毎週などの頻繁な掃除をしたりするだけでも、尿石の蓄積は抑えられます。
そして、日ごろから尿石を蓄積させないようにすることで、トイレつまりの要因を一つなくせるのです。小まめな掃除でトイレつまりと尿石の蓄積を防ぎましょう。
その4:定期的に排管の掃除を行う
尿石が蓄積するとトイレがつまるということは上述しましたが、それ以外の汚れも蓄積するとトイレをつまらせる要因になりかねません。汚れをためるということが、水や汚物の通り道をふさいでトイレつまりを引き起こしてしまうのです。
そして、トイレ掃除といえば、便器は定期的に掃除しているけど、その奥の排管までは気にしていないという方も多いのではないでしょうか?
排管の類は便器の奥にあり、どんな風に汚れているのかまでは実際に目にすることはできません。しかし、毎日使っている以上、一切汚れが溜まらないということはないのです。定期的に排管も掃除しておくと、トイレつまりを防ぐことに繋がります。
しかし、排管の掃除方法なんて分からないという方も多いことでしょう。排管掃除は意外にも簡単で、専用の薬剤を使用する方法はもちろんのこと、重曹などを使って手軽に掃除することもできます。詳しく紹介していきましょう。
排管の掃除方法その1:専用の薬剤を使って掃除する
トイレの排管掃除といえば、まずは専用の薬剤を用いるという方法です。きちんとトイレ用に薬剤の配合が考えられたものを使用すれば、汚れがとりきれないという恐れもありません。
また、こういった専用の薬剤は、尿石除去剤と同様に医薬用外劇物として指定されることも多いですが、業務用として常用されてきたものの配合を変更して一般家庭でも使用できるように変えたものがあるため、購入できないということもありません。
とはいえ、使用方法はパッケージなどに書かれていることをしっかりと守り、換気なども徹底して行うようにしましょう。誤った使い方をすれば、トイレだけでなく自身の体にもよくありません。
排管の掃除方法その2:重曹とクエン酸の力で汚れを落とす
トイレつまり自体を解消する方法でも紹介しましたが、重曹とクエン酸を混ぜる方法でも排管のお掃除をすることができます。トイレつまりの時と同様、排泄物や紙といった水に溶けやすい汚れを取り除く際に有効です。
専用の薬剤は確実な効果が得られますが、その分濃度が高く、使用の際には注意が必要といえます。そういった点が不安かつ、目的が定期的な排管掃除であれば、こちらの方法で済ませるのもいいでしょう。
方法もトイレつまりの時と同様に、
1. 便器に溜まっている水を取り除いておく
2. 便器から重曹を排管に向かってふりかけ、お酢やクエン酸を入れる
3. ぬるま湯をかけて時間を置き、発泡が落ち着いたら流す
の3ステップでOK。トイレつまりを取り除いたときと同様に、高い洗浄力で排管内の汚れを浮かしとってくれるのです。
業者に依頼することで業務用の高圧洗浄機や薬剤でキレイにできる
ちなみに、トイレつまりの解消方法の一つとして紹介した高圧洗浄機でも排管の掃除が行えます。排管掃除の場合であっても、前述しているのと同様の手順で行えるため、高圧洗浄機の扱いに自信があるならば試してみてもいいでしょう。
しかし、排水管は便器を取り外さない限り見えない場所にあり、そのさらに奥ともなればどんな状況かを確認する術はありません。そのため、トイレつまりの除去と同様に、素人知識で対応するのは、排水管を傷めるリスクがあります。徹底的に安全に徹底的に掃除をしたいならば、専門業者のようなプロに依頼するのが無難です。
また、長い間掃除してこなかったという人の場合は、定期的な掃除の前にこびりついた汚れを徹底的に落としたいと考える方もいることでしょう。そういった場合もプロに依頼して掃除してもらう方法がおすすめです。
高圧洗浄機のほか、医薬用外劇物として指定されている家庭では使いにくい洗浄剤も使ってもらえるため、確実に汚れを落としてくれます。専門的な知識で対応してもらえるため、安全面に配慮して作業してくれるところもおすすめのポイントといえるでしょう。
その5:トイレットペーパーはシングルを使ってみる
トイレットペーパーには一枚タイプのシングルをはじめ、二枚タイプのダブル、三枚タイプのトリプルと様々なタイプがあります。そして、ダブルやトリプルなどの紙が複数枚重なってできているトイレットペーパーは、シングルタイプと比較すると一度に流すトイレットペーパーの量が当然ながら多くなります。
ダブルやトリプルを使っている家庭で、トイレットペーパーのつまりが頻発しているならば、一度に使用している紙の量が多いと考えられるでしょう。シングルタイプに切り替えて、流す量を減らすことでトイレつまりの発生を減らせるかもしれません。
実はつまりにくいトイレたち
最後にトイレつまりにまつわる豆知識として、トイレの中でもつまりにくいタイプを紹介します。それは、年々減ってきている和式トイレや、洗浄に使う水量を従来のモデルより格段に減らした節水型トイレです。一般的な洋式トイレよりもつまりにくいと言われています。
和式トイレは一般的なトイレよりも古いですから、それよりもつまりやすいのでは?と考えるのもうなずけますし、節水型も洗浄に使われる水が少ないですからつまりやすいはずとなるのも当然です。この2種類のトイレがなぜつまりにくいのか、詳しく紹介していきましょう。
節水型トイレがつまりにくいのは洗浄力が高いから
つまりにくいトイレの一つ目として紹介するのは節水型トイレです。
節水型トイレは、従来のものよりも洗浄に使う水を減らしており環境と家計に優しいトイレと呼ばれています。実際に前項の「トイレつまりは起こさない!正しい節水方法とは」でも、節水方法の一つとして節水型トイレへの変更を紹介しました。
しかし、節水型トイレを見ていて、少ない水でつまらないのかなと考えたことがある人もいるのではないでしょうか?
実は節水型トイレはただ洗浄に使う水を減らしただけではなく、洗浄力を高めて少ない水でも排泄物が流しきれるような工夫がされているのです。そのため、適切な使い方がされていれば従来のトイレよりもつまりにくくなっています。
どんな工夫がされているのか例を挙げますと、洗浄の方式を洗浄力が高まるようにしていたり、便器の表面を従来のものから更にツルツルにして流れやすくしたりといった内容です。
では、どんな工夫がされているのか、一部のトイレを例に挙げていきましょう。
『画像引用:LIXIL公式HPより https://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/satis/case/s_type/#Plan-1814』
まずはLIXILの「サティス」というタンクレストイレです。洗浄に使う水量は、ベーシックモデルのeco5タイプで大5L、小3.8Lになっています。
サティスには、パワーストリーム洗浄という名称の機能があり、3つの吐水口から強力に水を流し、上限のギリギリまで行き渡らせます。そのため、大5L、小3.8Lの少ない水でもしっかりと洗い流せるというわけです。
もう一つのタンクレストイレはTOTOのネオレストを紹介しましょう。
『画像引用:TOTO公式HPより https://jp.toto.com/products/toilet/neorest/type/01.htm』
洗浄に使う水量は大3.8Lで小3.3Lです。従来のトイレと比較するとぐっと少なくなっています。
そして、ネオレストの洗浄方法は、水道直圧式と小型タンクを組み合わせたトルネード洗浄と呼ばれる方式です。水道から直接流れる水と内蔵タンクから勢いのある水を合わせて、便器内をグルっと洗い流すようになっています。
このように二つのトイレをチェックしただけでも洗浄力が高いことが分かるはずです。従来型よりもその能力は向上しているといってもいいでしょう。
そして、トイレットペーパーを流しすぎたり、全て小で流したりという行為は、節水型トイレに限らず、どんなトイレであってもトイレつまりを引き起こします。「節水型に変えてつまるようなことがあったら嫌」と考えている方は、使い方に気を付ければ安心できるのではないでしょうか。
古い型である和式トイレがつまりにくいのはなぜ?
次に紹介するのが和式トイレです。こちらは一般的な洋式トイレと比較しても型が古いため、つまるような不具合があっても当然と考える人もいることでしょう。
しかし、和式トイレは水勢のみで汚物を排出する洗い出し方式の便器が主流なため、排水管を太めに作られているものが多いです。そのため、細い排水管の洋式トイレではつまってしまうような異物であっても通り抜けやすくなっていると考えられます。
また、洋式トイレでは多くのメーカーが、噴射する水の勢いを強くしたり、二つの容器から水を流したりと、それぞれのトイレが様々な洗浄方式を駆使して一度の洗浄に使用する水量を減らすようにしています。
では、和式トイレの洗浄方法はどうでしょう?上記の通り、水勢のみで排出する洗い出し方式のトイレが主流です。そして、それを実現するには、噴出口に工夫のできない和式トイレの場合、とにかく水を多く流す必要があります。
排水管が太いことと一度に流れる水量が多いことが合わさっているために、和式トイレは一般的な洋式トイレと比較するとつまりにくいと考えられます。節水という観点では、多くの水を必要とし、マイナス面の多い和式トイレも、トイレのつまりを防ぐという目で見れば、なかなか優秀なのかもしれません。
しかし、他と比較してつまりにくいだけであり、絶対につまらないというわけではありません。そのうえ、和式トイレは便器自体を床へ埋め込むような形で設置されているため、洋式のように便器を取り外すということはできません。万が一奥の方で異物が詰まってしまった場合は、便器自体を割って取り出すなどの作業も必要となるのです。つまらせてしまったときの大変さは桁違いでしょう。
節水型トイレや和式トイレ、どんなトイレであってもつまらせない使い方を心がけたいものです。
トイレつまりはトイレにおける日常的なトラブルです
今回の記事ではトイレつまりのお悩みを解決しやすくするために、トイレつまりにまつわる様々な情報をまとめました。
特にトイレつまりの症状やその解消方法の情報は、実際にトイレつまりが発生してしまったときに外せない情報です。即自分で対処できるように、入念にチェックしたという方もいるのではないでしょうか。
さらに、トイレつまりを発生させる行動や予防のためのチェックポイントも、今後トイレつまりを発生させないために重要な情報といえまうs。記事で紹介した無茶な節水や異物を流すといったトイレつまりを引き起こす使い方は避けて、気持ちよく使えるトイレにしていきましょう。
トイレつまりはどんなトイレでも、どんな家にでも発生します。そのため、トイレの中でも最も身近なトラブルではないでしょうか。自分で対処できない!と感じた時は無理に解決しようとせず、水道業者のようなプロを頼るということも検討してみてください。


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